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2007年03月 アーカイブ

2007年03月01日

開幕戦

今回からOB'sコラムに参加する事になりました。コラムを書くにあたってまず初めに伝えたい事は今まで応援して頂いたみなさんに「ありがとう」という言葉を伝えたいと思います。J2の苦しい時代から今日まで本当に多くの応援全てが心に残っています。
特に昨年のホーム最終戦での引退セレモニーは自分の選手生活に区切りをつけるのに本当に良いものになりました。フロンターレとアントラーズというお世話になった両クラブのサポーターから祝福されて引退できた事に本当に感謝の気持ちでいっぱいです。今まで本当にありがとうございました。

そして2月1日から僕の第2の人生がスタートしました。仕事の内容は育成・普及という事で子供達の指導やサッカーを世の中に広めるという感じです。
といっても今はまだ午前中に事務所で行うパソコン作業を覚えるので大変です。それでも新しい事に挑戦するのは楽しいものでパソコンや子供達の指導など早く覚えて頑張りたいと思います。
特に子供達の指導に関しては凄く大事な事だと思っています。自分自身が小さい時に教わった事がそのまま大人になっても反映されてきたからです。
サッカー選手としてもそうですが人としても小さい時に大人から言われた言葉というのは強く印象に残るからです。だから僕はサッカーを通して子供達に技術はもちろん、人として礼儀挨拶にはじまり挑戦する気持ち、諦めない気持ち、仲間を思いやる気持ちなどあげればきりがないけど色々な想いを伝えていきたいと思います。

僕はこんな感じで意気込んでいますが、選手達はもうすぐ開幕という事で色々な想いでいる事でしょう。
僕が現役だったこの時期に一番大切だと考えていた事は、チームの雰囲気です。毎年新入団選手が入って新しいチームでスタートする中でチームの雰囲気というのは大変重要です。1月にスタートをきって12月の最終戦を迎えるまでの期間選手達は仲間でもありライバルでもあります。そしてピッチに立てるのは11人というキビシイ現実もあります。
そんな中でチームワークというのが鍵を握ります。そういった意味でいうと、ここ数年フロンターレは非常に良い状態だと思います。今年はチームで行った筑波大でのコミュニケーションをとる為のトレーニングをし、新入団選手が多く入った年には、本当に良い事だと思います。
そしてかかせないのが毎年開幕1週間前に開く選手全員の食事会です。主にブラジル料理店が多く外国人選手も喜んで参加します。ここでは新入団選手の自己紹介や一発芸的なものがあったり選手同士の暴露があったりとグラウンドでは見られない姿が見られて大変盛り上がります。そうして自然とチームが一つになって最後には1年間全員で頑張ろうと団結ができるのです。

では開幕戦はというと、僕の場合は不安より楽しみの方が大きかったです。それでも試合の前日の夜は寝付けなったり試合でボールに触るまでは落ちつかなかったりしたものです。今いる選手も当然不安や緊張・喜びなどさまざまあると思います。しかし試合が始まれば全員がチームの勝利の為、必死で戦ってくれる事でしょう。そして観ている人々にサポーターに感動を与えてくれる事と信じております。

僕は今回サポーターの立場から開幕戦を観る事になるので、夜もゆっくり眠れそうです。
それではみんなで開幕戦を盛り上げましょう。

2007年03月10日

スタート

はじめに今まで自分を支えてくれたすべての人にありがとうと言いたい。まず引退してから今の仕事につくまでの話をしようと思います。

引退を決め、これからの自分に不安を感じ自分からサッカーをとったら何が残るのかを考え、答えのみつからない日々を過ごしていました。引退したらサッカーとは関係のない別の仕事をやりたい気持ちや、川崎にきてから一年に一度しか会えなかった家族との時間をつくりたい気持ちや、いろんな事を考えるなか、フロンターレから育成普及コーチの話を頂き、これまで悩んでいた気持ちが自然となくなっていきました。やはり10年いたこのチームが好きだし、何より自分はサッカーが大好きという事を改めて感じました。

こうして2月1日から仕事を始めていますが、ボールを追いかける子供たちを見て、この仕事につけて本当によかったという気持ちと、子供に伝える難しさを感じています。

新しい仕事についてから一ヶ月、肩の力がとれ、少しずつまわりが見えてきた状況で、今までに経験したことのない肩こりが、ようやく取れてきました。

そんな中、いよいよ開幕したJリーグ。選手だった頃を思い出しながら試合を見ていました。結果は、1-0のすばらしい勝利でした。前半の10分過ぎからフロンターレのリズムになり、21分に村上からのセンタリングをマギヌンがヘディングであわせ、先制点。その後も幾度となくチャンスを作っていたフロンターレのペースで、試合が終わりました。アントラーズは、パスの出し所がなく結局ディフェンスラインからフォワードへのロングボールが多く、攻撃の形を作れていませんでした。逆にフロンターレはケンゴを中心に相手を崩すパスまわしができていて、ゴールへ向かうプレーが数多く見られました。

今年も最高のスタートがきれて、選手達もまずは一安心だと思いますが、すぐにACLがあります。今年は他のチームより試合数が多く、そのため、いろいろな問題が出てくると思います。疲労やけが人、出場停止の選手が出てきたり、代表選手の抜けた穴など、全ての選手の力が必要になります。そのチャンスがいつきてもいいように、日頃の練習を大切にしてほしいと思います。

自分も今与えられた仕事を精一杯がんばろうと思うし、自分にしかできないものを見つけるために、いろいろな事に挑戦していこうと思う。

2007年03月20日

言い訳を作らない

今年も開幕戦を勝利で飾った我らがフロンターレ。プレッシャーのかかる開幕の舞台で、しっかりとした戦いの末に手にした大きな1勝でしたね。等々力に駆けつけた多くのサポーターも楽しい時間を過ごせたのではないでしょうか。

そしてみなさんもご存知のとおり、今季のフロンターレはアジアチャンピオンズリーグ(ACL)という初めてのアジアタイトルにも挑戦しています。インドネシアのアレマ・マランとのACL予選リーグ初戦でも、無事3−1で勝利を収めることが出来ました。アウェイでの初戦ということで相当難しいゲームでしたが、白星スタートを切れたことで、選手もスタッフもサポーターもホッとしているところでしょう。

僕自身も現役時代にはアントラーズの一員として、第一回ACLだけでなく、アジアクラブ選手権やアジアカップウイナーズカップといった、現在のACLの前身に当たる大会にも何度か挑戦してきました。しかし、一度も頂点に立つことができず、99年のカップウイナーズカップでの3位というのが最高の成績でした。それでも03年のA3カップでは優勝したのですが、それは日本、韓国、中国という東アジア3カ国のみでのタイトル。結局僕はアジアNo.1になることは出来なかったんですよね。

僕のアジアへの思いはそれだけではありません。アジアでは代表としても何度も戦ってきたのですが、92年バルセロナ五輪最終予選では5位(予選通過できず)、96年アジアカップでは決勝トーナメント1回戦で敗退、98年フランスワールドカップ予選では予選通過こそしましたが、トップ通過はできませんでした。そういった意味でも、今年のフロンターレにはどうしてもアジア覇者になってもらいたいという強い思いがあるのです。

それでは、フロンターレが入っているグループFを見てみましょう。このグループは韓国の全南ドラゴンズと、東南アジアのタイのバンコク・ユニバーシティとインドネシアのアレマ・マランの2つに分けて見ることが出来ます。なかでも全南ドラゴンズが実力的に最大のライバル。その韓国とはホーム、アウェイの環境面での差というものはあまりありません。時差もなく、気候もほとんど変わらず、移動もそれほど苦になるものではありませんからね。ですが、こうした地理的な条件は全南ドラゴンズにとっても同じ。何がホーム、アウェイの差をつけるかと言えば、スタジアムの雰囲気ということになるわけです(みなさんはどうすれば良いか分かりますよね)。実際にはこの直接対決が大きく予選リーグ突破を左右するでしょうから、4月11日のアウェイと、4月25日等々力での2連戦が大きなポイントになるのは間違いないでしょう。

東南アジア勢は実力的に劣っていますが、油断をすると痛い目に合わされてしまう可能性も否定できません。先日のアレマ・マラン戦は苦しみながらも勝利を収められましたが、バンコク・ユニバーシティとのアウェイでの対戦には十分な注意が必要となります。時差があり、移動距離も相当あり、気候も大きく違うこの地域のチームは、総じて日本での戦いでは、拍子抜けするようなゲームをすることがあります。3月21日に等々力で対戦するバンコク・ユニバーシティはそういった姿を見せるかもしれません。ですが、グループリーグ最終戦となる5月23日のバンコクでのチームは全く別のチームと考えておいた方がいいでしょう。02−03シーズンのクラブ選手権で、バンコクの地で痛い目にあわされた私の経験からも、ホームでのタイのチームは侮れない存在であると断言できます。

できればこの最終戦を待たずに、全南ドラゴンズに連勝してリーグ通過を決めておくのが望ましいでしょう。ですが、ここで過酷なスケジュールが問題となってきます。この時期にはJリーグでもビッグゲームが続きますから、本当に厄介ですね。4月7日にvsガンバ@万博、15日にvs清水@等々力、21日にvsレッズ@埼スタと、ACLでの連戦と合わせると、5戦連続で決勝戦がやってくるような感じになってしまうわけです。

こうなったときに大切なのは、当たり前のようですがコンディションということになります。なかでも大切なのは精神的なコンディションではないかと僕は思っています。インドネシアでの初戦ではメチャクチャ過酷な移動をこなした上で勝利を収め、そこから戻ってきての神戸戦でも、退場で数的不利になるなど、いつ身体も心も折れてしまってもおかしくないような状況の中で、粘り強く引き分けました。こうした精神的な強さを発揮できたことは、選手たちにとってもチームにとっても大きな自信となったはずです。
ですが、4月の過酷な連戦の時期にはもっともっと厳しい状況も出てくるでしょう。そうしたときに、一人ひとりがいろんな状況に対して、決して「言い訳を作らない」ということがとても大切になると僕は思っています。この「言い訳を作らない」というのは、自分が現役時代に出来なかったことだったのですが、スケジュールやコンディションや環境といった、思ったようにいかない、想像以上に厳しいということはアジアに出て行けばいくらでもあることです。しかし戦う前から、「この日程きついよ」とか、「こんな移動したら、走れるわけないよ」とか、「こんな点差、ひっくり返せないよ」とか。やる前から言い訳を自分の中に作ってしまっていたんじゃないかなと思うんですね。今さらですが、それこそが自分がアジアで勝てなかった最大の原因なのではないのかと思ったりするわけです。

肉体的コンディションが厳しくなるのは当然でしょう。しかしそれを補って余りある精神力が必要なのです。それを持てなければアジア王者になる資格もないでしょうし、Jリーグを獲る資格もないとも言えます。厳しいことを言うようですが、ぜひともそうした姿を見せて欲しいですし、今のフロンターレはそれだけの強さが身についたチームになったと信じています。それでも弱さを見せることもあるかもしれません。そうしたときには、サポーターのみなさんの力が必要なのは言うまでもありませんね。特に4月25日(ひと月以上も先のことですが)の等々力での全南ドラゴンズとの大一番では、ぜひとも多くのサポーターに集まってもらって、フロンターレに大きな力を貸してもらいたいですね!

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