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2007年05月 アーカイブ

2007年05月01日

習慣

毎日生活している中で、人はそれぞれ順番をつけて行動していると思います。
例えば、朝起きてすぐに歯を磨く人や食事を摂る人、顔を洗う人など何げない行動ですが、人はみんな順番をつけて行動したり、それが習慣になっていたりします。この程度の習慣の違いは、それほど人生に影響するとは思いませんが、夢や目標がある人にとって習慣というのは非常に重要な事だと僕は考えます。

サッカー選手になりたいと思っているのに朝食は食べないとか、夜遅くまで遊んでいたり、テレビゲームのやりすぎで寝不足になったりと想いとは違う行動が習慣になる事は非常にマイナスだと思います。毎日の何げない行動すべてが、夢や目標に繋がっていったらどんなに素晴らしい事かと思います。

例えば早寝早起き3食きちんと食事を摂る事、トレーニング前後のストレッチ、お風呂上りのストレッチなど良い習慣を身につける事が重要です。
もう1つはトレーニングで決められた事をきちんとすることです。走るトレーニングでよくあるのが、10mのダッシュなのに残り1〜2mを流して走ったり、コーンの外側を走るルールなのに楽をして内側を走る人がいます。これは小さな事のようですが悪い習慣になっている人と、きちんとトレーニングをしている人とでは、気づいた時には大きな差となって表れます。毎日繰り返されるものこそ大事にしなくてはなりません。

スポーツ選手に必要とされている「心・技・体」もそうですが、1日で急激に成長するものではありません。しかし意識を変える事によって人は大きく変わると僕は信じています。そして実行することです。何事もそうですが行動力がある人はパワーがあります。頭で理解していても行動しなくては意味がありません。

どうか夢や目標がある人は良い習慣と、感じたことをすぐに行動に移す力を身につけてほしいと思います。

2007年05月10日

自分のテーマ

現役時代にいつも自分のテーマにしていた事は、サッカーを楽しむということです。

楽しんでいる時はどういう時か、どうしたら楽しめるかを常に考えてきました。サッカーを楽しく感じるときは、当たり前なことですが、やはりうまくいっている時です。思い通りのプレーができたりしているときは、自然とアイデアもいつもより多く出てきたりもします。
しかしそんな時ばかりではありません。うまくいかない時は、悪いイメージが先に出てきてしまい、ミスをこわがりプレーが小さくなってしまいます。このような状況では楽しめるはずがありません。

そんな時に大事になってくるのは自信を持つという事だと思います。たしかに自信を持ってプレーしている時は、一つ一つのプレーに迷いがないし、なによりサッカーを楽しんでいた気がします。ただ自信を手に入れる事は、自分は簡単な事ではありませんでした。練習で出来ない事は試合では出来ないし、出来たとしてもそれはたまたまです。運は実力ではないと思っていたので、まず練習で力をつけて、自信をもって試合に入れるように心がけていました。それでも満足できる試合は一試合もありませんでした。

自分にとってサッカーを楽しむという事は、簡単なようで、とても難しいものでしたが、世界には見ている人まで楽しませてくれる選手がたくさんいます。そのような選手に共通していえる事は、自分にしかない武器を持っているという事です。ボールをまるで手で扱っているような技術を持っている選手や、敵を一瞬で置き去りにするスピードを持った選手、誰も予想のつかないアイデアを持っている選手、他にもいろいろな武器を持った選手がたくさんいますが、すごいと思うのは、その能力を持っている事はもちろん、それを試合で表現できる事です。当然まわりからの期待も凄いものだと思うし、想像のつかない様なプレッシャーの中でプレーしていると思いますが、この様な状況の中で自分の能力を出すには、相当な自信と勇気が必要だと思います。試合で自分を表現するには、サッカーの技術以外にも、自分をコントロールする強い気持ちも必要な能力だと思います。

自分は今、プロを目指す小学生たちを教えていますが、すばらしい技術を持った子がたくさんいるし、純粋にサッカーを楽しんでいます。しかし、これからいろいろな経験をしていく中で、責任などを感じながらプレーするようになり、ただサッカーを楽しむ事が難しく感じたりするかもしれません。そんな時のために、今から自分の武器を見つけて、誰にも負けないと思えるまで、その武器を磨き続けてほしいし、自分をコントロールする力も学んでほしいと思います。

プレッシャーに負けず、自分の武器が試合で通用したとき、今までに感じたことのない楽しさが、待っていると思います。

2007年05月20日

基本技術の差

前回ACLのことを僕は書いたが、我らがフロンターレは堂々と予選リーグ突破を果たしてくれた。選手、スタッフ、クラブ関係者、そしてサポーターのみなさんには、おめでとうとここで言わせていただく。簡単ではないグループリーグを突破したことは、本当に素晴らしいことであるし、胸を張っていいことであると思う。

間違いなくフロンターレの選手たちは成長している。特に最大のライバルといわれた全南ドラゴンズに一歩も退かない戦いを挑み、内容的にもスコア的にも素晴らしい勝ち方をしたことは自信にもなっただろう。振り返ってみると、初戦のアレマ・マラン戦での苦しみながらの勝利と、ホームで引き分けたバンコク・ユニバーシティ戦が選手たちを大きく育てたのではないか。初めての国際ゲーム、そしてアジア勢と戦いのなかで怖さを知り、そうした中でもポイントを重ねられたことが、全南との対戦に大きく生きたはずだ。

だが、喜んでばかりはいられない。ACLはここからがある意味本番。韓国、中国といった東アジア勢だけでなく、中東の列強たちとも顔を合わせていくこととなる。またナビスコカップ決勝トーナメントでも順調に勝っていけば、まさに9月以降は殺人的スケジュール。その中で、フロンターレらしいゲームをして勝ち上がっていって欲しいし、チャレンジしていきたいところだ。

そのACLの戦いの中で、印象に残る一戦があった。第4節ホーム等々力での全南ドラゴンズ戦だ。キックオフ前から降り始めた雨と、ボールが走りやすい短い芝の影響もあって、なかなかボールが落ち着かない。まるでピンボールのようにボールがめまぐるしく動いていく。だが15分もするとフロンターレの選手たちは、ボールを落ち着かせられるようになる。それに対して全南の選手たちは、ボールをなかなか足元に収められない状況が続いていた。
これを見ていて思い出したのが、95年に僕が初めてブラジル代表と戦ったとき(アンブロカップ)のことだった。0-3で敗れてしまったこの試合。イングランドの地で対戦したのだったが、まあスコア通りと言うか、スコア以上と言おうか。基本技術の差をまざまざと見せつけられたのを今でも覚えている。

ヨーロッパの土は少し粘土質で滑りやすく、またこの日は雨が降っており、ピッチがよく滑って、ボールが走っていたことを思い出す。その中で、ブラジル代表選手たちは足からボールがまったく離れなかったのだ。それもトップスピードで動きながらである。さらに当時の加茂代表監督はゾーンプレスという戦術でプレッシングサッカーを標榜していたから、それなりにプレスがかかっていたはずである。だが、3人ぐらいで囲い込んで完全に「獲れた!」と思うところでも、落ち着いてボールをコントロールされ、簡単にサイドチェンジされたりしたのだった。

なかでもよく覚えているのが、ルーズボールに僕が反応して取りに行ったら、そのボールをトップスピードで拾いに来たジーニョ(当時横浜フリューゲルス)がバックスピンをかけてコントロールして、突破されてしまったシーンである。自分の感覚では、あれだけのプレッシャーとスピードの中では、足元からボールが離れてしまうのが当たり前。絶対にマイボールになると思ってプレッシャーをかけにいったのだった。世界というのはピッチの状態とか関係ないんだな、逆にこういう状況こそ技術の差がはっきりしてしまうものなんだなと痛感したものであった。
話が12年も前に遡ってしまったが、もう一度先日の全南戦に戻ってみよう。この日もスリッピーなピッチ状態だからこそ、技術の差がはっきりと出たのだろう。3-0というのはスコア通りと言っていいだろうか。きっと全南の選手の中には、12年前僕が感じたのと同じようなことを感じた選手もいるかもしれない。それぐらいスタンドの上から見ていても、基本技術の差というものを感じるゲームであった。

勝敗も大切なゲームであったのだが、それ以上にこうした確固とした技術の差を見ることが出来たことは、日本サッカーが進んできている方向が間違っていないという意味で、非常にうれしかった。ただ今回の全南は韓国の中ではスキルで勝負するタイプではないチームだったとも聞く。他の韓国のチームや、中東のチームなどにはフロンターレよりもスキルの高いところもあるかもしれない。サッカーは技術だけでなく、戦術や、フィジカルといった要素や、さらにはもっとも大切なメンタルな要素を必要とする。そういった意味でも、今後のフロンターレのアジアでの戦いを後押しすべく、多くのみなさんにスタジアムに足を運んでもらえたらなと思っている。

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