« 2007年11月 | メイン | 2008年01月 »

2007年12月 アーカイブ

2007年12月01日

一言の重要性

指導者になって、今現在一番気をつけていることは、「言葉」です。

指導をしている中で、自分が発した「言葉」がどれだけ子ども達に影響しているのかと考えることがあります。
サッカーを指導しているときも、どれだけ分かりやすく子ども達に伝えるか、逆に本当に伝わっているのか?と自問自答しながら指導に取り組んでいます。
また、グラウンド以外のところでもなるべく子ども達と会話をするように心がけていますが、そのときにも「言葉」には気をつけています。

この夏、サッカーとは直接関係ないことかもしれませんが、おそらくこれから長く指導に携わっていく中で、決して忘れることがないであろうと思う出来事がありました。

U-12のトレーニング中の出来事です。ある選手の妹が両親と一緒にお兄ちゃんの練習を見に来ていたのですが、その子に突然「そうだ! 玉置コーチにお礼言わないとね。ありがとう。」と言われました。

一瞬、何のことだかさっぱり分からなかったのですが、その子のお母さんから説明を受けて驚きました! 実は、昨年の夏にもその子は練習を見に来ていたのですが、その時も一生懸命“一輪車”に乗る練習をしていたのです。その時に僕が、うまく乗れないのを見てグラウンドにあるミニゴールを2つ向き合うように並べ、その間を両手を使いながら乗る練習場らしき物を設置して「じゃあ、まずこれから練習してみよう!」と、声をかけたことを思い出しました。
真意は分かりませんが、どうやらその子は、1年前のことを覚えていて、その練習がきっかけでさらに一生懸命練習し、乗れるようになったことに「ありがとう」と僕に言ってきたのです。

僕は、感動したと同時に「ハッ!」としました。僕の中では1年前の出来事で思い出すのも難しく、何気なく言った一言が、その子にとっては大きく、きっかけにもなり、後に「ありがとう」とまで言われる「言葉」を言っていたのかと思うと少し考えさせられました。

今回のことは、僕の発した言葉が良い方に向いてくれた事ですが、逆に悪い方向に向くという事も有り得るということです。

例えば、子どもが良いプレーをしたと思った時にどういう言葉をかけるのか、逆にミスをした時にどういう言葉をかけるのか、悩んでいる時にはどういう言葉をかけるのかなど、僕がかける言葉で子どもが良くも悪くもなると思うと、本当に気をつけなくてはと思います。小学生年代では特に、指導者が子どもにかける一言一言がとても重要なのだなと改めて思いました。

しかしこれは、指導者に限らず言えることではないでしょうか?僕自身も幼少期に言われた両親の言葉は今でも覚えています。やはり僕たち指導者もそうですが、子どもにとってお父さん・お母さんの影響はかなり大きいと思います。このコラムを読んで何か感じていただけた方は、僕と一緒に自分を見つめ直してみませんか?何かに気づき、変えていけるかもしれません!

現在、僕はU-12の選手を指導していますが、これからも多くの子ども達と接して行くと思います。
指導をしていく中で、褒める言葉や指示の言葉、時には怒る言葉などなど、たくさん言葉はあると思います。その選び方やかけるタイミングを考え、『一言の重要性』を感じながら指導していきたいと思います。

2007年12月07日

入替戦

2007年最終節、アジアチャンピオンの浦和レッズが横浜FCに0対1と完封負け。
この結果鹿島アントラーズが清水エスパルスを下し逆転優勝で幕を閉じました。まさに何が起こるかわからないのがサッカーだということを身にしみて感じた年でした。

2007年フロンターレは、ACL出場、ナビスコカップ準優勝とクラブとしてすばらしい経験をすることができました。
そんな中、J1から降格するチーム、J2から昇格するチーム、そして、「入れ替え戦」に臨むJ1・16位のサンフレチェ広島、J2・3位の京都パープルサンガがあります。

今回は、この「入れ替え戦」について書いて見ようと思います。

「入れ替え戦」と聞くとホーム&アウェイとすぐに思うかもしれませんが、1998年フロンターレがJFLを戦って、アビスパ福岡との「J1参入決定戦」に出場した時は、アウェイの一発勝負。この年(1998年11月19日)だけ「参入戦」と呼ばれ、一発勝負で行われました。

このときJFLを戦ってきた自分にとってアウェイの洗礼はあまり感じてこなかったのですが、この試合だけは異様な空気を感じました。アビスパ福岡のサポーターが黒いビニール袋を振りフロンターレを圧倒しようと雨の中、博多の森競技場を埋め尽くしたのです。

自分は、雨の中、博多の森競技場まで足を運んでくれたサポーター、メンバーに入れなかった選手のためにも必ず勝とうと強く思って戦ったゲームでした。結果は、2対1からロスタイムに追いつかれ、104分にフェルナンドのシュートがサイドネットに吸い込まれ延長Vゴール負け。この試合は「博多の森の悲劇」と言われるくらい壮絶な試合でした。この試合は自分にとってとても悔しく、忘れられない試合のひとつです。

「勝ちきれない試合」そして「Mind-1」の精神はこれまでの歴史を振り返ったときに、この試合から始まったように思えます。フロンターレの原点と言ってもおかしくないゲームでした。

この試合に出場した選手は一人もいませんが、クラブとしてこの経験を受け継ぎフロンターレを支えていけたらと思います。

 GK:浦上
 DF:川元・ペッサリ・中西
 MF:長橋・大塚・鬼木・久野・伊藤彰
 FW:トゥット・ヴァルディネイ
 SUB:境・小松崎・土居・桂・菅野

2007年12月21日

仮契約!


2007年12月6日(木)15:00駒澤大学玉川校舎にて菊地光将選手の仮契約が行われた。
大学サッカー界の中でも異例の8チームで争われた注目の菊地選手の争奪戦は、川崎を含め名古屋、磐田の3チームに絞られ、最終的に川崎に入団することが決定した。彼が川崎入りを決めた要因はいくつかあったと思われるが、一番の決めてとなったのは等々力での試合観戦が大きかったようだ。スタジアムを埋め尽くした沢山の青いサポーターたちが作り出した素晴らしいホームの雰囲気が本当に気に入ったのだろう、等々力で思う存分、力を発揮したいと思ったに違いない。

スカウトという仕事に携わるようになってからというもの、オファーを出している選手から「来季からフロンターレでお世話になります!」というありがたいお言葉を頂くと、喜び浮かれている暇はほとんどなく、慌しく日程を調整し仮契約を行い、正式に来期の入団内定まで確実に到達するための作業を行う。

基本的に仮契約の場には私たちスカウトも同席する。高校生、大学生の彼らが華やかながらも厳しいプロの世界に入ってくる記念すべき第一歩の日でもあるため、落ち度がないように入念に準備をする。この日は特に私自身も身が引き締まる思いだ。彼らには期待や不安など様々な思いがあるはずだが、この仮契約の席にはどちらかというと、いい緊張感がある。J1の舞台に向けこれから挑戦していく新たな決意と署名を交わす安堵感からか、とても明るい雰囲気が漂う。
彼らが仮契約書にペンを走らせる姿を見ていると、私はいつも感慨深くなる。この選手たちが試合に出場するのはいつ頃になるのか?フロンターレのユニフォームに身を包み、得意のプレーを披露する姿を想像する。サポーターたちが彼らに対して大きな声援を送ってくれる。将来、チームの中心選手として活躍してほしいと願う。

一方、これから大変な努力や苦労が付きまとうのも事実、高校生には大学という路もあったが、これで本当にプロの世界に入ることになり、もう戻れない。「本当にプロでやっていけるのか?大丈夫だろうか?いややらなければいけない、お前ならできるはず、大きなプレッシャーもかかるかもしれない、ケガなどしなければいいが…」と親のような感覚にさえさせられる。
実際に全ての選手が活躍できる保証もない、それがプロの世界だ。本当にこれからが勝負だ。そんな自分たちがスカウトとして声をかけてきた選手たちの仮契約の光景は、いつになっても忘れることはできないものである。この仮契約が全ての選手にとって人生の中で忘れられない意味のある通過点になってくれれば、こんなに喜ばしいことはない。

仮契約を済ませ、年が明け新たに本契約を交わしたときから、彼らは川崎フロンターレの一員として堂々と練習に励むことができる。いずれきっとピッチで活躍してくれるだろう選手たちの誕生である。1年でも長くフロンターレの選手としてサポーターに愛され、勝利に貢献してくれることを祈る。

 現役引退後の2002年から約5年間、私自身がこれまでサッカーを通して経験し感じてきた様々なことを、この「Tatsuru's チェック!」で書かせていただきました。理解しづらい文章など多々あったかもしれないとは思いますが、それでも本当に多くの方々にご愛読いただきました。そして沢山の温かいご感想もいただけたことは、とても嬉しく思っています。
拙いながらも実際に自分自身の手で書き留めてきたことは本当によかったと、つくづく感じました。本当にありがとうございました。さてこのコラムですが、5年間を一区切りと考え一度リセットさせていただきます。今後は、今年新たにスタートしたオニ、ヤス、タマら若い連中に任せたいと思います。また、いつの日か皆さんのご要望があれば、今度はひょっとしたら「牛若丸 チェック?」という形ででも、自分自身が新たに感じたことを伝えられる日が来るかもしれません。その際は「Tatsuru'sチェック!」同様、温かい視点でお目通しいただければ幸いです。
これにからもスカウトとして皆さんに自信をもってご紹介できる選手を探しに全国を走り回ります。今後とも宜しくお願いいたします。
そして、未来ある選手たちにご声援を!

About 2007年12月

2007年12月にブログ「OB'sコラム」に投稿されたすべてのエントリーです。過去のものから新しいものへ順番に並んでいます。

前のアーカイブは2007年11月です。

次のアーカイブは2008年01月です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.34