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  • ピックアッププレイヤー 2018-vol.10 / 特別対談 樋口 大 ✕ 吉田勇樹

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マネージャーの仕事って?

特別対談 株式会社GA technologies 取締役 樋口大 川崎フロンターレ コーチ 吉田勇樹

テキスト/麻生広郷 写真:大堀 優(オフィシャル)text by Asou,Hirosato photo by Ohori,Suguru (Official)

 2018年9月15日よりオフィシャルスポンサーとしてクラブをバックアップしていただくことになった、株式会社GA technologies(ジーエーテクノロジーズ)。2013年3月の設立からのメンバーとして経営に携わる取締役の樋口大さんは、じつはフロンターレジュニアユース(現アカデミー)出身。同期でありプライベートでも親交がある吉田勇樹コーチとの縁もあり、再びフロンターレファミリーの一員となりました。今回は2人に加え、ユース時代の後輩である安藤駿介選手も飛び入り参加してのクロストークをお送りします。

ジュニアユースでの出会い

── 2人のフロンターレでの関わりはいつからはじまったんですか?

樋口「当時のジュニアユース(現U-15)からですね」

吉田「その頃、フロンターレのジュニアユースへの登竜門的な存在としてスペシャルクラス(フロンターレ直下の小学校高学年向けクラス)っていうのがあっんです。だけど僕らはそこには通っておらず、1次セレクションから5次セレクションまでやって、ジュニアユースに受かったんです」

樋口「ジュニアユースで3年間やって、ユース(現U-18)も一緒に上がりました」

吉田「ダイの第一印象は今でも憶えていますよ。背が高くてセレクションでも目立ってました」

樋口「小6で170センチぐらいあったんですよ」

吉田「ダイはセンターバックだけどテクニックがあって、『でかいのにうまいなー』って思ってました」

樋口「ユウキは最初からパワー系の選手でしたね。足が速くてキックが飛ぶっていう印象でした」

吉田「ジュニアユースは下野毛グラウンドで練習していたんですけど、だいたい小杉組(武蔵小杉駅から帰るメンバー)と、溝の口組(溝の口駅から帰るメンバー)で帰り道が分かれるんですよ。で、僕らは小杉組だったから一緒にバスで帰ることもあったし、途中からは小杉に自転車を置いておいて、電車で小杉まで行ってそこから下野毛まで一緒に行き来するっていう感じで、練習中も帰り道も、とにかくずっと一緒にいた印象があります」

樋口「あのメンバーの中でも仲が良かったよね。試合前に隣り合わせでひとつのイヤホンを片耳ずつつけて、カップルみたいに音楽を聴いてたり(笑)」

吉田「はた目から見ると、ちょっと気持ち悪いよね。高校に入ってからも一緒に年始の初蹴りに行ったりしていました。そこに2年間ぐらいマナブ(齋藤学)が来てたんですよ」

樋口「マナブは地元の駅が隣だったんです。マナブが新川崎の方で、僕が西大井」

吉田「ダイの友達の高校生が来て、西大井の公園で5人対5人をやったりしていました」

樋口「当時のフロンターレって、トップチームの試合の観客数がまだ2、3000人の頃だよね」

吉田「そう。下野毛で練習をやって19時半に終わって、それからチャリで等々力に行って後半開始ぐらいに着くんだけど、スタンドががらがらだった」

ジュニアユースでの出会い

── 吉田コーチはフロンターレU-18からプロ入りして、樋口さんは青山学院に進学しました。

吉田「ダイも一緒にトップチームに上がると思ってたんですけどね。後からクラブの人に聞いたら、ダイは大学を経てから戻すみたいな話があったらしいです。練習生として何回かトップチームの練習に来ていましたけど、プライベートではタイミングが合えば会うって感じだったかな」

── 樋口さんが大学を卒業してからも交流は続いていたんですか?

吉田「確かダイが大学を卒業する年、僕は現役引退したんじゃないかなぁ」

樋口「ユウキが引退してから育成普及で頑張っているときは、年1回ぐらいで会っていたと思います」

吉田「僕ら親同士が仲が良くて、一緒に飲みに行ったりしていたんですよ。だからその頃は、親伝いでダイの情報を聞くっていう。そういう意味では家族ぐるみの付き合いですね」

樋口「僕は大学を卒業してから不動産系の会社に入って1年働いたんですが、兄貴が今の会社を立ち上げるということで誘われました。最初は社員が5人とかしかいなくて、本当にゼロからのスタートでしたね」

特別対談

GAテクノロジーズとは

吉田「IT系の不動産っていうのはダイから聞いてたんだけど、そもそもGAテクノロジーズってどんな会社なの?」

樋口「住居や資産活用のための中古不動産を販売して、リノベーションもするし、販売した後の管理もする。GAテクノロジーズはそこにテクノロジーを介在させて、AI(人工知能)を使った不動産のポータルサービスがあったり、不動産管理のアプリがあったり、家を買う・借りるという体験を変えていこうとしているんだ。社内の業務にもテクノロジーは活用されていて、月何千という(住宅の)情報があったとして、それを人間が管理していたら時間と手間がかかってしまうし、ときにはミスしてしまうこともあるので、AIを使って物件のデータを溜め込んだり、そのデータをサービスに利用したりしている。ざっくりいうと、一般的な不動産にテクノロジーをプラスして、お客さまにもそこで働く人にとっても、業界を面白く変えていこうとしている会社」

吉田「まだ変えてないの?」

樋口「だいぶ変わりつつある。でも、やっぱりいろいろなしがらみがあるよね。そこを何とかして変えていこうという感じで、いま頑張っているところ」

吉田「なるほど。具体的な内容をはじめて聞いた」

スポンサー契約に至るストーリー

── どのような経緯でフロンターレのスポンサーの話が出てきたんですか?

樋口「去年社内でスポンサードの話が出て『フロンターレしかない』って僕が代表(兄)に話をしたんです。正直なところ、代表は別のチームのユースに所属していた過去もありましたし、マーケティングや他の観点から別のチームを選択肢に考えた役員もいたと思います。でも、今のフロンターレチームを率いるユウキのクラブに対する思いを知っていましたし、僕自身もユース出身ということで絶対フロンターレだって思っていました。それに、フロンターレの『常勝軍団』を目指す姿勢も、不動産サービスを変革しようとしているGAと重なると思ったんです。『ああ、なるほど。ダイは昔フロンターレにいたしな』っていう流れになったんです。で、ユウキに『可能性あるわ。どうだろう?』って電話したんです」

吉田「そこで僕が営業の人につないで、等々力での試合に来たダイと話をして。そこからはトントン拍子だったよね」

樋口「もちろんフロンターレのことはずっと気になっていたんですけど、ユウキがトップチームのコーチになってからいろいろ話を聞いていました。選手やスタッフ、鬼木さん、みんなが熱い想いでクラブを良くしていこうと考えてる。すごく刺激を受けたんですよね。フロンターレがリーグ優勝する前の話だよな」

吉田「そうそう」

樋口「去年フロンターレが優勝したことが後押しになった部分もありますが、優勝したからスポンサーになったとは思われたくないです。もともとお世話になったクラブで、恩返しじゃないですけど何かできたらとずっと考えていたので。だから僕自身としては、去年優勝していなかったとしても絶対やりたいと思っていました」

吉田「フロンターレに関わってきた人が、スポンサーという形で戻ってくるのは初めてのケースだよね」

樋口「サッカーを辞めてからもちょくちょく等々力に試合を観に来ていたんですが、途中で何年か行けなくて、ひさしぶりに来たらメインスタンドが立派になっててびっくりしました。お客さんの数もすごくて、熱気もすごい。クラブハウスも新しくなっていて、フロンターレ頑張ってるな、すげーなって思いました」

ここで樋口大さんと吉田コーチのユース(現アカデミー)時代の後輩、安藤駿介選手が参加

安藤「おひさしぶりです。といっても、この前の等々力の試合で会いましたけど」

── 樋口さんと安藤選手はどんな間柄だったんですか?

安藤「サッカーでの絡みがほとんどでしたけど、僕はユースの1年生から試合に出ていてDFのダイ君との関わりが多くて、すごく頼りになる先輩でした」

樋口「安藤は超がつくほどの真面目。絡みづらい後輩(笑)。ちょっとうまくいかないと『あぁぁ〜!』って叫んでるようなタイプ。でも、誰よりも一生懸命でストイックでした。ユウキの100倍ぐらい」

吉田「まぁ、それは否定できない…。ダイもけっこう練習をやるタイプで、居残り練習やろうってよく誘われてたんですよ。そういう意味では、自分もダイに引き上げてもらったところはありますね」

安藤「ダイ君が不動産関係のすごい会社にいるっていう噂は聞いてたんですけど、うちのスポンサーになってくれるかもってユウキ君から聞いて、やっぱりすごいなって。この前、「Renosy(リノシー)」のネームが入った新しいユニフォームの撮影をやりました。ダイ君様様ですけど、吉田コーチ様様です」

吉田「ダイと仲良くしててよかった〜」

安藤「それを狙ってたのか(笑)」

── 形は違いますが、こうしてまた先輩と関わることになりました。

樋口「選手会長、今後ともよろしくお願いします」

安藤「サッカーでは頼りがいがある先輩でしたけど、今度は違う形でチームを支えてもらうので、末永く、そしてたくさん…、お願いします」

樋口「ははは」

安藤「ユースの頃の僕は真面目で堅物だったので、こんな感じでダイ君と話したことはなかったですね。プロに入って数年して、いつからか変なキャラクターになってました」

樋口「何で変わったの?」

安藤「昔は勢いだけのところがありましたけど、気持ちの落ち着かせ方がわかって人の意見を聞くようになりました」

樋口「ま〜あの頃の安藤は絡みづらかったからね」

吉田「それはいまもだけど」

安藤「ちょっと! ユウキ君、コーチの立場なのに平気できついこと言うからなぁ」

樋口「それが吉田コーチのよさだからね」

吉田「でも、こういう形で安藤と話すことってなかったよね。もちろんダイとも普段こんなに真剣な話しないし。ちゃんと仕事してるんだなっていうのがわかってよかったです」

安藤「めっちゃ上から目線だけど…」

樋口「でもこうして昔一緒にサッカーやってた仲間と話ができて面白いです。あと改めてですけど、安藤選手会長が現役で頑張ってて、ユウキがコーチで頑張ってる。純粋にすごいなって思います。こうしてまたフロンターレに関われるのも嬉しいですし、もっともっと応援したいなって気持ちになりました」

『Renosy』を胸に

── 9月15日よりフロンターレのユニフォームの左胸、クラブエンブレムの上に「Renosy(リノシー)」というスポンサーネームが入りました。

樋口「『Renosy』というネームは会社名ではなくて、GAテクノロジーが運営している中古不動産をトータルサポートするポータルサービスです。Renosyでは、家を探す、買う、売る、リノベーションする、投資するといった不動産に関わる様々なサービスを提供しています。Renosyには、不動産オーナー向けのRenosy Insight(リノシーインサイト)というアプリがあったり、クラウドファンディングという仕組みを使ったオンラインで資産活用ができるサービスがあったりと、今までの不動産業界にはない新しいサービスもあります」

吉田「左胸のこの位置ってけっこう目立つよね」

樋口「でもね、かなり抑えてる。空気を読んで(笑)。デザイン的にはもっと派手にできるんですけど、あくまでユニフォームにうまく溶け込むように、ユニフォームがかっこよく見えるようにうちのデザイナーが頑張りました」

吉田「確かにシンプルだけどわかりやすい。それにしても、そうそうたるスポンサーさんのなかにダイがいる会社が入ってきたね。ありがとうございます。もうダイなんて呼び捨てできないね」

樋口「絶対言わないだろ。言われてもこっちが困るし」

吉田「まぁでも、フロンターレはもともとファミリー的なクラブで、もともと縁があった元ユースの人間がこうして違う形で帰ってくるっていうのはすごくいいことだと思う」

樋口「スタッフの方も選手もみんなやさしくて、本当に温かい。それはすごく感じますね」

吉田「他のOBの人もそうですけど、フロンターレのことを気にかけてる人ってけっこういるんですよ。いつか帰って何か還元したいって。それってフロンターレに対していい印象を持っているからこそでしょうし、フロンターレが目指している姿そのものだと思いますね」

フロンターレと創る未来

樋口「フロンターレは去年優勝しましたけど、まだまだ強くなっていけると思うんですよね。日本で一番強いのはフロンターレ、常勝軍団と呼ばれるようになってほしいです。そのために具体的にはどんなサポートができるかまだわからないですけど、テック企業のGAならでは、元フロンターレメンバーの僕ならではの、そんなサポートをフロンターレのみなさんと一緒に考えていけたら嬉しいなと。今は不動産とその近接領域にサービスを広げている段階ですが、将来的にはスポーツテック(Sports x Technology)にも挑戦したいと思っています」

吉田「それはスポンサーなので、まずは、おか…」

樋口「まぁ、できることはしたいと思います。あと、僕らGAのサービスの特徴は、現場とエンジニアとそしてときどきお客さんも巻き込んでサービスづくりをしているんです。だから、フロンターレにできるサポートも、これから選手やコーチ、クラブ、サポーター、観客といろんな人と関わらせていただきながら、一緒に見つけていけたらいいよね」

吉田「チームが結果を出せば、自然とRenosyの名前の露出も増えるしね」

樋口「自分たちは不動産業界を中心に頑張っていくので、フロンターレの皆さんには引き続きJリーグで頑張ってもらって、お互いに盛り上げていけるような関係になりたいです」

profile
[ひぐち・だい]

AIを活用した中古不動産流通ポータルサービス「Renosy(リノシー)」を運営するGA technologies取締役。2002~2008年まで川崎フロンターレのU-18に所属。2007年にはU-18日本代表のキャプテンも務める。サッカーから離れて、同じくサッカーの道を目指していた事もある兄・樋口龍氏と、2013年GA technologies社を設立。かつて、サッカーの頂点を目指していた兄弟のスピリッツを束ねて、不動産界に新しい風を送り込む。2018年9月には、かつて所属したフロンターレのさらなる飛躍をサポートするべく、オフィシャルスポンサーに名乗りをあげた。

1989年10月23日、東京都品川区生まれ
ニックネーム:ダイ

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