日はまた昇る

鬼木達スペシャルインタビュー

 1998年11月19日、博多の森球技場。鬼木にとって「サッカー人生で一番印象深い試合」が行われた。語り尽くされているアビスパ福岡とのJ1参入決定戦である。フロンターレはJFLを2位通過し出場権を獲得したが、この試合はアウェイ一発勝負。フロンターレは2対1でリードするもロスタイムに同点弾を許し、結局延長Vゴールで散った。「自分の存在価値が決まる」とまで意気込んでいた鬼木の戦いは終わった。
「あんな逼迫した試合は後にも先にもなかった。JFLのリーグ戦は参入決定戦に出場する権利を得るためだけのものだった。当然リーグ戦も必死に戦ったけど、勝ったからあがれるわけじゃない。だから、集大成というか、やっとこの場に立てたっていう気持ちが強かった。試合中は、けっこう冷静に展開を読んでいて、こうなるだろうなぁという読みどおりだった。ロスタイムまでは…。合宿からラスト5分を守りきるような練習をしていたんだけど、守り切れていないこともあったのね。それが大一番で出ちゃったのかなって。終わったあとは、ショックが大きくて抜け殻みたいだった」