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2008年08月 アーカイブ

2008年08月01日

結果

『結果』これは、どんなことでもそうですが、スポーツをする者にとって切り離すことの出来ないものだと思います。

サッカーの試合でも“勝敗(引き分けもありますが)”は付き物で、勝つチームもあれば、負けるチームもあります。当たり前ですが、これが結果として出てしまいます。
しかし、僕は勝敗だけがすべての結果だとは思いません。もっと言えば現在、小学生年代に関わっている僕は「勝敗の中にある細かい部分の結果」に目を向けて行きたいと思っています。
細かい部分とは何か? 例えばゴールを決められた、ボールの持ち方やボールの置き所を状況によって変えられた、3人・4人抜けた、観えるものが増えた、逆の足でボールをコントロールできたなど何でもいいのですが、今まで出来なかった事が出来るようになったり、練習したことが試合で出せた、これも結果なのではないかと僕は考えます。

先日、“かわしん杯”といって小学4年生以下の大会なのですが、川崎市67チームが参加する大きなこの大会で、優勝という結果と共に僕はある結果を得ることが出来ました。
それはこの大会を通して子供たちが、今まで練習で取り組んできた“技術”を思う存分プレーで魅せてくれたということです。もちろん失敗もたくさんありましたが、それでも子供たちはチャレンジし続けました。また、今年の準決勝・決勝はあのトップチームがプレーする聖地!等々力陸上競技場での試合でしたが、観客が見守り、緊張せざるをえない状況の中、自分たちのプレーに自信を持ち、観ている人たちから「おー!」という歓声が多く聞こえてきました。小学3年生・4年生の子供たちが観客を驚かせたことは、本当に素晴らしいことだと思います。もちろん、これには子供たちが日頃の練習から意識高く取り組んできた成果ですし、本当に大きく成長したと思います。

この大会を通して巧くなっていった子供たちの姿を見て、僕の中では1つの結果を出せたと自信を持って言えます。
もちろん、勝敗も大事です。当然子供たちは勝ちたいと思ってプレーしていますし、勝つことで子供たちが得ることは本当にたくさんあります。また、僕自身も監督という立場で勝ちたくない訳がありません。しかし、原点というか、指導者としての本質は選手を育てることだと思います。特に小学生年代に携わっている僕たち指導者の最終的な『結果』は今すぐに出るものではないような気がします。

これからも勝敗という結果ももちろんですが、試合や練習の中にある小さな結果にもこだわって行きたいと思います。

2008年08月10日

ボーイズマッチ

私は現在、U-13の監督をしています。
先月7月21日(祝)に、J1第18節のAWAY浦和レッズ戦において、その前座で、U-13同士のボーイズマッチが行われました。この一戦を通し、私は経験することの重要性を再認識する事になりました。

選手たちには、すでに5月頃に、このボーイズマッチの事は伝えてありました。初めて伝えたその日、歓声があがり、モチベーションが一気に高まり、目が輝いたのを覚えています。試合当日まで、選手たちの頭の中に常にあり続けたわけではないと思いますが、この日が近づくにつれ、試合の事をイメージすることにより、小さな気持ちの高ぶりは何度かあったと思います。

いざ当日、埼玉スタジアムの巨大さ、また、開門3時間以上も前から並ぶ、たくさんのフロンターレとレッズのサポーターの姿を実際に目の当たりにし、これまでの楽しみという気持ちに加え、不安と、よーしやってやるぞという、さまざまな感情が交錯する表情が見てとれました。
浦和レッズの運営の方に誘導され、スタジアムの中に入っていき、スーツを着たたくさんのスタッフの方とすれ違いながら、控え室までの廊下を歩いていきました。控え室の窓からは、たくさんの座席が目に入ってくる事で、これから本当に始まるんだ、という緊張感が高まってくるのが分かります。「いいねー!」「よっしゃー!」「うわー、どうしよう」など、いろんな声が聞こえてきます。普段通りの選手、ちょっと落ち着かない選手、早くボールを触りたがっている選手、動きが止まってしまっている選手など、いろんな姿がそこにはありました。

ウォーミングアップは、フロンターレのトップチームがこれから実際に使うウォーミングアップルームで、2チームの選手たちが共有する形で行いました。室内なので声がひびくため、互いの選手たちが、声の大きさをはりあっていました。声を積極的に出す事で、声とともに緊張感が吐き出されていくように、いつもの選手たちに戻っていきました。私としては、とにかくこの一戦を楽しんでほしかったので、少し安心した瞬間でした。
ウォーミングアップが終わり、ピッチ手前の階段下で入場を待ちます。見上げればすぐそこにピッチ。このあと実際にプロの選手たちが試合をするピッチがそこにはあり、選手たちの緊張感もさらに高まってきます。実は、ここまでで、何回もトイレに行っている選手もいます。また行くの?という選手もいて、やっぱり緊張しているんだと、いつもの練習試合とは違うんだなと思いました。

さあ入場です。階段を上がるとテレビカメラで撮影してくれていて、オーロラビジョンには、笑顔の選手たちが写っています。整列し、メインスタンドとバックスタンドに挨拶をし、審判団と、浦和レッズの選手たちに握手をしていきます。

そしていよいよ試合開始。ここから先は、実際に見られていた方はご存知だと思いますが、レッズペースで試合が進んでいきます。ピンチもたくさんありましたが、最後の最後で体を張って防ぐシーンや、シュートミスに助けられるシーンも多くありました。そんな中、サイドを突破されて決定的なピンチを防いだ所から、左サイドから中央、中央から右サイド、右サイドから中央と、5本のパスをつないで、相手ゴール前に迫り、シュートを決め、先制点をあげることが出来ました。非常にいい形だったと思います。しかし、その後も、レッズペースで試合が進んでいきます。なかなか自分たちのサッカーをさせてくれません。後半、ちょっとしたミスから失点してしまい、同点に追いつかれてしまいましたが、選手たちは集中を切らすことなく、最後まで良くがんばっていたと思います。
良いプレーには歓声があがり、拍手もしてくれる。しかし、イージーなミスや、ここぞという所でミスがあると、ため息がもれる。ピッチを囲む360度の観客席から、1プレーごとにいろんな反応が起こる。それは、プロの試合と何ら変わらない。

自分の知らないたくさんの人たちからの反応。1万人は入っていなかったと思いますが、普段、こんなにたくさんの人たちに自分のプレーを見られることはないし、いつもと変わらない自分のプレーに対し、スタジアム全体に響くような反応をされることもない。そこには明らかに、いつもとは違う空気がありました。純粋に、そのプレーが評価される。これからプロの試合を見ようとスタジアムに来ているたくさんの方が見ている中で、そこでは、子供だからすごいとか、子供だからしょうがないという目でプレーを見ているのではなく、子供でもいいプレーはいいプレーで反応があり、良くないプレーは良くないプレーで反応があり、1つ1つのプレーの楽しさと厳しさがそこにはありました。
ピッチを引き上げてくる選手たちの表情はさまざまです。笑った顔、悔しそうな顔、緊張感から開放され安堵した表情など、選手たちなりにいろいろ感じたようです。

試合が終わってから、試合の間ずっと応援してくれていたたくさんのサポーターの皆さんの所へ挨拶に行きました。「フロンターレ!!! フロンターレ!!!」と、ものすごく大きな声でエールを送っていただき、また、大きな拍手をいただき、勇気をもらいました。J1という厳しい舞台で戦っているトップの選手たちが常に、サポーターの皆さんに対してものすごく感謝しているという気持ちがすごくよく分かりました。ピッチから引き上げてきた時に、納得のいくプレーができずに浮かない顔をしていた選手であっても、この時ばかりは全員が顔を見合わせ、非常にいい笑顔になっていました。自分もいつかはこういう舞台で戦いたい、と思ったに違いありません。
こういった経験は、非常に大切だなと思いました。どれだけ日頃から言い続けたとしても、やはり、1度の経験には勝てません。Jリーグの前座で試合ができるという機会をつくっていただいた、浦和レッズの関係者の方々に、この場を借りてお礼を申し上げたいと思います。本当に、どうもありがとうございました。

また、もう1つ、この場をお借りして告知しておきたいことがあります。
9月20日(土) J1第25節 FC東京 戦が、HOME等々力で行われるのですが、その前座で、川崎フロンターレU-13とFC東京深川U-13のボーイズマッチが、17:10ころのキックオフで行われます。これについても、本当にありがたいことで、コーチとして、ものすごく感謝しています。
この試合において、浦和レッズ戦の時よりも、一段とたくましく成長した選手たちのプレーを、是非見に来ていただきたいと思っています。たくさんの人に見られ、応援され、いいプレーには歓声が上がり、拍手がおこり、逆に良くないプレーにはため息がもれる。こういった経験が、間違いなく選手たちを成長させてくれます。いいプレーが出来れば自信になり、いいプレーが出来なければ明日からまたしっかりがんばろうと思って取り組んでいける。今、U-13の選手たちは、浦和レッズ戦で感じた事を、実際に練習で生かすことが出来ていると思います。成長しています。時間がある人は、いや、時間を作って、是非9月20日(土)の17:10キックオフに間に合うように、等々力に足を運んでいただきたいと思います。また、U-13だけでなく、他のカテゴリーの試合にも、是非足を運んでいただきたいと思います。未来のトップチーム戦士を目指す選手たちにとって、非常に良い刺激になると思います。

2008年08月29日

クラブユース

今回のコラムは、クラブユースについて書きたいと思います。

クラブユースとはJクラブから、町クラブまで全てのクラブの全国大会です。今大会の予選は福島県のJヴィレッジで、準決勝、決勝は三ツ沢で7月26日〜8月3日までの間行われました。フロンターレのユースチームは結果から申し上げますと、予選リーグ3敗の惨敗に終わりました。

指導者2年目の僕にとっては、本当に良い経験となり、同時に本当に悔しい思いをしました。そんな中から、これからの育成、クラブの在り方、自分の教えている選手たちに伝えるべきことが少し見えてきたように思います。

1つは全国という舞台で、日本のトップレベルの高校生がどのようなプレーをしていて、どのような取り組みをしているのか見えました。そして自分のチームの選手たちに足りないもの勝っているものなどを知ることができました。ユースの選手たちにとっても良い経験だったと思います。

ただ今大会で残念に思った事がいくつかあります。その中でも1番はどのチームも個々の戦いが少ないという事です。組織的なチームが多く局面でのボールの奪い合いやゴール前での迫力が足りないように思いました。確かに技術的には高いと思います。(準決・決勝)
簡単なパスミスやトラップミスも少なく、観ていても上手なのは分かります。ただ局面での激しさがないので、それが本物の技術なのか?海外のチームと対戦しても個人として通用するのか疑問です。そして観ている人がその試合を観て感動するのかということです。

スポーツの素晴らしさというのは、人を感動させることにあると僕は思っています。卓越した技術で人を喜ばせ、必死に頑張って勝利に向かう姿を見せることによって感動を生みだします。
今回このコラムを書いている期間に北京オリンピックが開催されました。僕はオリンピックを見ながら、改めてスポーツは人の心を動かすものでなくてはいけないと思いました。ルールも分からないレスリングやシンクロ、柔道、ソフトボール、他にも多くのものを見ましたが、全てに感動がありました。そこには4年に1度という強い想いがあるから、こちらもそれが分かっているから、勝者の涙、敗者の涙に感動するのかもしれないが、どれもその必死の姿に心を打たれ伝わるものでした。それと今回のクラブユースの準決、決勝を一緒にしてはいけないのかもしれないが、敗者の涙に感動を感じることができなかった。
涙を流すくらいならもっと走って戦えと思った。僕はこの年代だからこそ感動を与えられると思うしもっとできると思う。少なくとも僕は自分のチームの選手に、観に来ている観客、家族を感動させられる姿にしたいと思います。そのためにサッカーでは先ず走れなくては話にならない。そして高い技術、それを発揮する体とメンタル。あたり前のことだが勝利を目指し最後まであきらめない姿勢。そう考えると優勝したFC東京はそれがあった唯一のチームのように思う。

話はいろいろと飛んでしまったが、僕が言いたいのは他のチームの批判ではなく、自分のサッカーへ対するスポーツに対する想いです。スポーツは観てくれる人がいるから成り立つし、だれも観る人がいなければ自己満足の世界で終わってしまう。僕はサッカーを知らない人がフロンターレのサッカーを観て感動したと言ってもらえるチームに、選手たちにしていきたいと思っています。

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