« 2008年08月 | メイン | 2008年10月 »

2008年09月 アーカイブ

2008年09月02日

世界をめざせ

U-10のコーチについて一年半。選手たちの成長の早さに、とにかく驚かされる近頃だが、当初からとても気になっている事がある。それは10歳にして早くも組織的なサッカーをしているチームがあまりにも多いという事だ。

各ポジションでの役割を意識し、プレーエリアを考え、フォーメーションを守り、組織で攻め、組織で守る。ビックリしたのは、対戦相手によって戦い方を変えてくるチームまである。しかし、そんな選手たちに目標とする選手を聞いてみると、C・ロナウド、メッシ、ロナウジーニョ、カカ……。何か変だ。

小学生のうちから、チームは組織的で、選手は機械的に動き、サッカーを頭で勉強している印象を受ける。しかし、それはこの先いくらだってできる。今やらなくてはいけないのは、ボールを、そしてサッカーを体全体で感じ、感覚をみがく事だ。こうした感覚は、組織や戦術で選手をしばってしまえば、身につかないものだと思う。

僕はここにこだわる理由がある。それは世界との差を、やはり個の力だと感じるからだ。だから子供たちには、世界で活躍する選手たちのように、ボールを持ったら、こわさを感じさせる選手になってもらいたい。そのためにもまず、ボールを持ったら、ゴールを目指し、局面を個の力で打開する事に、今はこだわってほしい。こうして育っていった選手たちが、個の力を組織でおぎなうサッカーから、個の力で組織をより強いものにしたサッカーに変えてくれる事を、期待している。

サッカーは作戦版の上で監督がやるのではなく、選手がグランドの上でやるものだという事を、つねに頭に入れながら、これからも選手と向き合っていこうと思う。

2008年09月10日

U-16秋田国民体育大会 エピソード4

チームが一つになった勝利

「あと2つ勝てば決勝の舞台に行ける」。食事のときも、移動中でも今日の対戦相手の事ばかり話している。選手の勝ちたい意識は非常に高い。スタンドではすでに神奈川県対兵庫県の試合を観戦に700人近くの観客がもうすでにスタンドを埋め尽くしていた。

地元の小学生が両チームの旗を持ち、選手の入場を待っていた。ミーティングでは、昨日の反省点、今日のゲームの入り方、戦術、そして最後まであきらめない強い意志で戦うことを話した。ピッチ上は非常にコンディションもよく芝が太陽の光で緑に輝いていた。

12:20前半がスタート。神奈川県はテンポ良くボールを動かしグランドをうまく使い攻撃をしていくが、なかなか相手のバイタルエリアに入っていけない。兵庫県はフォワードからのプレスが無くしっかりと3つのラインを保ちゾーンディフェンスで対応。奪ったボールをカウンターでの狙いだった。前日の試合とは内容が違いかなり神奈川は研究されている。神奈川はボールを回しているというより、回されている状態。前半はシュートが2本だけ完全に相手のペースにはまっていた。

ハーフタイムに「相手の守備陣を打ち破るには、縦のポジションチェンジを多くやり、空いたスペースに3人目が入ることを要求した。後は絶対にあきらめない。こんなところで終わらない。」14:10後半戦スタート。ミーティングで話したことを選手たちは流動的にトライしてくれた。得点が生まれたのは後半6分。右サイドのスペースをサイドバックの友澤(桐光学園)が抜け出し深いとこからクロス、中に詰めていたMF古林翔太(湘南ベルマーレ)がヘディングでゴールを決め先制点をとることができた。選手、スタッフは大喜び。ここから兵庫県の猛攻がはじまる。前半とは逆に前線からボールを奪いにきた。「マークをしっかりしろ、あわてるな、声を掛け合え」と選手たちに伝えた。神奈川県のDF陣はGK奥山(フロンターレ)を中心に捨て身のディフェンスでゴールを守った。
次の瞬間チャンスがうまれた。後半27分、自陣ゴールまえでDF大和田(フロンターレ)がボールを奪い前線にフィード。トップでいつもチャンスを狙っていたFW榎本(マリノス)が前がかりになったDFの裏を付き絶妙なタイミングでボールをコントロールしGKとの1対1をしっかりと決めスコアを2-0にした。パス1本でのゴール。すばらしいゴールだった。残り5分、兵庫県もいくつものチャンスをつくるが、一つになったチームを破ることは簡単には出来なかった。そして試合終了のホイッスル。

グランドで倒れこむ選手が多い中、神奈川の選手たちは皆で抱き合い勝利を分かち合った。試合を重ねることで、選手1人1人の絆がでてきた。ゲームは当然勝ち負けがあるが、勝つことで自信が付く。勝つことで次のステップが生まれる。負けたら何も無いと思え。だから絶対に負けたくない強い意志を持ってグランドで戦わなければならない、日本人に足りないところは勝利への執着心を常に持つこと、選手も指導者も!

“あと2試合で優勝だ”気合入れて頑張るぞ!

2008年09月20日

「指摘」される幸せ

いよいよ2010年ワールドカップアジア最終予選が始まりました。日本代表はバーレーンとのアウェイでの初戦で貴重な勝ち点3をもぎ取ってきてくれましたね。楽勝ムードが一転、終了間際に1点差にまで詰め寄られる厳しい試合でしたが、ケンゴの3点目がモノをいって勝利をつかみ、今後に向けてよいスタートが切れたと思います。

このゲームのために中断していたJリーグも、先週末に再開。われらがフロンターレはアントラーズとの"SOMAダービー(?)"でしたが、アウェイで先制されながらもドローに持ち込み、念願のタイトルに向けていいリスタートを切ってくれました。もちろん勝ちたかったのは当然ですが、5位までのポイントが非常に詰まっている今年のJリーグでは、この上位グループから引き離されないことがとても大事。残り10試合という段階では、どのライバルたちも上に抜け出すことよりも下に落ちないことを優先しているはずで、周りが1つでも沈んでいくのを我慢強く待っているわけです。

残り5節を切る11月に入る頃あたりまで、優勝争いのグループ内、それも1勝(3ポイント)差以内のところにつけていられれば、タイトルの可能性は一気に高まります。そのポジションにつけておくためにも、今は辛抱強くポイントを重ねていかなければなりません。みなさんも本当の優勝争いを楽しむためにも、この時期のフロンターレを辛抱強くサポートしてもらいたいと思います。

さて、日本代表、フロンターレはそれぞれ佳境へと突入しているわけですが、僕自身は8月末から新しいチャレンジを始めました。それは公認S級コーチ養成講座の受講です。通称S級と呼ばれる公認S級ライセンスは、Jリーグ(プロチーム)監督になれる資格で、現在僕はその講座を受講しています。今年のコースは全24名の受講生がいますが、その顔ぶれは様々。勝矢さん、澤登さん、秋田さんといった日本代表経験者から、元Jリーガーや、長年育成に携わってきた指導者など、経歴も現在指導しているカテゴリーも違う人たちが集まっています。
この原稿を書いている時点で、S級講習が始まってから3週間が経っていますが、いろいろな講義や実践が行われてきました。コミュニケーションスキルやディベートの講義・実践といった普通ではなかなか経験できないことを勉強したり、指導実践でもレベルの高い要求をされるなど、濃密な3週間があっという間に過ぎてしまった気がします。
その中で、最もいい経験をしているなと感じることは、他人から「指摘」されるということです。特に指導実践などでは本当に「指摘」されます。インストラクターからはもちろんのこと、選手役としてプレーしている受講生からもいろんな問題点、疑問点、課題などが「指摘」されるのです。僕自身もまあいい大人ですから、この歳になって他人から怒られたり、指摘されたりということはあまり多くありません。ましてやサッカーのことになると周りが遠慮してしまうのか、「指摘」されることは滅多にありません。ですが、ここではバシバシと「指摘」されるのです。
僕にとってこれは、本当に新鮮な感覚なのです。時には「イラッ」と思うこともあるのですが(反省...)、指導者としては僕よりも経験のある人たちからいろんな意見、指摘をされるのですから、こんなに貴重なことはありませんよね。視点が変われば見方が変わるのは当然ですから、自分では考えもしなかったような言葉をもらったときには、「今、すごくいい勉強してるな」と素直に思えます。それから反対に、自分の意見も遠慮せずに言うこともできるようになってきたなとも感じます。歳をとるにしたがって、遠慮したりして意見を控えることが最近多かったのですが、ここではそんなことは通用しません。伝えてぶつかって新しいモノを生み出す。勇気を持って意見をぶつけることがお互いのためになるわけです。今回のグループでは最年少の僕ですが、以前よりも思い切って発言するようにしています。ここでは"Open Mind"という合言葉で意見をぶつけ合ってますが、こういう姿勢でいろんな話をぶつけ合って新しいモノを作り出していくことは、本来どんなところでもどんなことでも大切なことだと思います。それに気づいただけでもこのS級に参加したかいがありますし、これがあと2ヵ月半続く中で新しいモノ(サッカー観、サッカー哲学、指導哲学などなど)を自分の中に作り出せるのか、自分でも非常に楽しみでもあります。

そうそう、そのS級が終わる頃にはJリーグも最終節を迎えますね。僕が新しいモノをつかんで、フロンターレも初めてのモノ(もちろんリーグタイトル!)をつかむ。そうなっていることを願っています!

About 2008年09月

2008年09月にブログ「OB'sコラム」に投稿されたすべてのエントリーです。過去のものから新しいものへ順番に並んでいます。

前のアーカイブは2008年08月です。

次のアーカイブは2008年10月です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.34