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2004/vol.06
──高知での京都戦が終わり、翌日から3日間のオフがありました。どのようにリフレッシュされましたか?
関塚
ビデオの分析などは、しないようにして(笑)、完全にオフとなった2日間は、あえてサッカーから離れました。といっても、日本代表戦は観にいきましたけどね。それ以外では、大好きなサウナに行ってマッサージを受けました。身体をリフレッシュさせるために、サウナにじっくり入ったりランニングをしたりするのが好きなんですよ。
──19勝3敗という結果が出ているわけですが、相手が引いてきても攻めてきても、勝ちきれる力がついてきたと思います。どのあたりからそういった安定感が出てきたと思われますか?
関塚
第2クールの初戦、ジュニーニョ、マルクスが不在だった水戸戦で、しかもアウェイで1対0で勝てた試合は大きかったと思うのですが、やはりその辺からですね。第2クールに入るときに、順位が決まってきて相手がうちに対してどういうサッカーをやってくるかという話をミーティングでしました。「ほとんど圧倒的にうちが攻められるゲームは少ないだろう。ただ相手が8枚、9枚と(守備に)残ったなかで、崩していかないと逆にカウンターで危ない場面を作られる。だからビルドアップからのしっかりした攻撃を組み立てよう」と。その点については、トレーニングを重ねるごと、1試合ごとに本当に積み重なっていった。第2クールは、ひじょうに安定感が出た試合ができたと思います。
──振り返れば、連勝前の第1クールの第7節までは5勝2敗で2失点の試合が4試合あったんですよね。
関塚
そうなんです。他の上位チームにくらべて2失点をした試合がうちが一番多かった。原因をみると、攻め込んで相手に取られてカウンターになり2列目からの飛び出しで失点しているパターンが多かった。そこを、うまく解消できてきたと思います。
──その頃、お話を伺ったときに、もっとミドルシュートを打って膠着した状態を打破しないと、と言われていました。
関塚
巌と憲剛が2列目からのシュートをもっている選手だと思いますが、5月2日の京都戦から憲剛が先発で入って遠目からどんどん打っていくし、相手が引き出されて今度は裏を狙えたり、といいバランスになったんじゃないかと思います。
──失点が減った原因については、変則的な3バックの形が整ってきたことが大きいように感じますが。
関塚
バランスが非常によくなったんですよね。ふたりのボランチと両ウィングバック、そして3枚のディフェンスで、うまくバランスをとりながら相手の中盤から攻撃にかけてケアしていくことができてきたと思います。
──攻撃については、我那覇、ジュニーニョ、マルクスの強力な攻撃陣は突出していますが、当初からこの個性ある3選手が共存できると思われましたか?
関塚
それを試してたんですよ。ジュニーニョ、マルクスを使い、今野を入れた形がチームにフィットするのか。我那覇、あるいは町田というタイプを入れた方がフィットするのか。今野を入れたときには、ボランチにはどういうことを要求され、ジュニーニョ、マルクスには、どういうことを要求されるのか。我那覇が入った場合は、前3人に対しなにを要求すべきで、後ろに控える選手にはなにを要求されるか…。というところを試してきて、その流れのなかで徐々にチームが前進してきたということです。チーム全体としては、当初は攻撃力を発揮しているなかで守備が不安定だった。そのうちに守備の安定や攻撃陣の守備に対する意識の高まりもあり7試合連続無失点という結果が出て、守備の安定からさらに確実にフィニッシュまでいく攻撃、ディフェンスラインからのビルドアップという攻撃の形ができてきた。そうしてチーム力がレベルアップしていったと思います。
──第2クールは、徹底してマンマークをつけてきた鳥栖に唯一敗戦しました。
関塚
いま思えば残念だったですね。九州であの時期、午後1時にキックオフという試合で、アウェイでもあるし、ゲーム運びとして後半勝負で掴みとろうと試合途中から計算していました。微妙な判定のPKで先制され、相手選手があの暑さのなかすごい頑張りをみせ、チャンスはあったけどネットを揺るがすことはできなかった、という試合でした。そういう展開になってしまったことは、あの試合についてはしょうがない面もあったと思います。そうなる前にもう少し打つ手はあったかなという不満はありますが…。ただ、当日行ったときに立ったピッチの暑さを考えたら、ちょっと選手たちには酷でしたね。それをよく1週間で切り替えて次のホームで勝ってくれたと思います。
──大事なホームで全勝しています。先日の7月2日対横浜FC戦では、川崎市制80周年記念マッチとして18000人以上もの観客が入り大変盛り上がりました。
関塚
本当ですね。あれだけお客さんが入ってくれれば、僕が選手のモチベーションをあげる必要はないです(笑)。自然と上がってきますよ。
──関塚監督ご自身は、今シーズン監督に就任されたばかりですが、ここまで監督としてやろうとしていることを実践できていると思われますか。
関塚
評価は、周りの人がしてくれるものだと思いますから、自分ではわかりません。ただ、自分がやろうとしていることは、確実に1歩1歩積み重ねてこれているなと思います。監督としてやるべきこと、準備すべきことを自分のなかで描いた1週間のトレーニングを重ねて、週末の試合で結果が出るわけですが、自分のなかでは、「この流れでいいんだ」という手応えは感じています。
── 一番の心配は、ケガと気持ちの緩みだと試合後の会見で言われていました。チーム力がついてきて、警告累積やケガ人が出た際のバックアップ選手の充実という準備も進められる幅の広さがあると思いますが。
関塚
チーム力が安定していればそういうところまで頭がいきます。あとは守備でも攻撃でもよりコンビネーションを高めることです。相手も研究していますから、ひとつでも攻撃のバリエーションを増やしていく。そこにテーマをもってやっていきたい。
──横浜FC戦では大石選手が今季初めてサブに入ったり、京都戦では谷口選手が帯同していました。モチベーションを保つ意味でも、自分がいま、どの位置にいるかを意識させてトレーニングをさせたい、そして練習試合や調子を上げている選手にチャンスを与えたいという話を伺ったことがあります。
関塚
トレーニングで頑張った選手、結果を出した選手には、それだけのチャンスを与えるべきだと思っています。横浜FC戦については、久野がケガで離脱して中盤に空席ができたので、1週間のトレーニングで頑張っていた大石をメンバーに入れました。練習試合はもちろん、紅白戦、トレーニングのなかで結果を出した選手にはできるだけチャンスを与えたい。その方向性だけはしっかりもってやっていきたいと思っています。
──さらに今年新たな選手が加入したことによって、いい意味で刺激と競争意識につながり慢心せずに来ていると感じます。
関塚
競争できるプレーヤーが各ポジションに出てきたというのは大きいと思うんですよね。キーパーも下川が入り、ディフェンスも寺田の復帰、相馬が入って、やり方を変えたところもあるのでモチベーションも上がっただろうし、ボランチもケガから久野が復帰して山根、鬼木、さらに憲剛が加わって競争が生まれたし、右サイドでも木村が台頭してきて長橋との競争になった。前線でも、マルクス、町田の存在があって、いい意味での競争がある。“フォア・ザ・チーム”というか、チームのなかの競争という意識があるので、いい刺激を受けながらやれているんじゃないかと思います。
──選手たちに対する印象は、変わった部分はありますか。
関塚
みんな自信をもってきてくれてるんじゃないかなぁと思います。最初にくらべたら、よくしゃべるようになりました。きょうも、みんなワイワイ声を出して、いいトレーニングができましたよ。
──いよいよ第3クールが始まります。暑い夏の最中に、かなり多くの試合が予定されています。
関塚
先のことを計算するのではなく、目先の1試合1試合をコンディション、調子のいい選手を出しながら勝ちきっていくことです。疲れがあれば、次のプレーヤーを考えていくという形で、うちのチーム力が一番発揮できるメンバーで戦っていくことが大事だと思っています。
──フロンターレは今年、昇格、優勝を求められています。ここから先、大事なことは。
関塚
安心はできません。とにかく前進する。半歩でも前進していくしかない。トレーニングでも少しでもうまくなり、少しでもコンビネーションの精度をあげることです。そこを毎日毎日やっていかないと目標に到達することは難しくなるので、常に求めていかなければいけないと思っています。
──J2は、過去をみても好不調の波が生まれたり、なにが起こるかわからない部分は確かにあります。
関塚
先のことは、わからないですから。耐える時期っていうのが絶対ありますから、そのときにどれだけ勝ち点を積み重ねていけるか。来年はJ1も1シーズン制になりますが、1シーズン通しての戦いというのは、本当にチーム力が問われます。力があるところが必ず結果を残せるものだと思います。
──後半戦に向けファンの皆さんにメッセージをお願いします。
関塚
まだ1年の目標に到達する過程の段階です。ここで停滞することはできないので、全員で一歩一歩前進するためにいいトレーニングを積み重ねています。後半戦もいい戦いをすることを約束しますので、多くの人に足を運んでいただいて後押しをしてもらいたいと思っています。ご声援のほど、よろしくお願いいたします。
八千代高校、早稲田大学を経て、84年〜91年まで本田技研にてフォワードとして活躍。現役引退後は、早稲田大学監督を2年間、以後、鹿島アントラーズのヘッドコーチとして10年間、途中、95年には清水エスパルスのコーチを1年間務めた。今季より、川崎フロンターレの監督に就任。
1960年10月26日生まれ、千葉県出身。
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