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9/22 (日) 1 2013

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「J1リーグ大会方式の変更について」の説明会(報告)

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開催日時

2013年9月21日(土) J1リーグ第26節 サガン鳥栖戦終了後
22:00より

会場

等々力陸上競技場 ホーム側室内練習場

出席者

代表取締役社長 武田信平

説明内容

※当日の言葉を聴き取り、その内容を文章に直したものです。

なぜJリーグがポストシーズン制というシステムを採用しなければならないのかを説明させていただきたいと思います。まずJリーグが置かれている状況について、少しグラフを使ってお見せしたいと思います。

テレビの視聴率を見ていただきたいのですが、これはプロ野球との比較です。プロ野球も下がっているし、Jリーグも下がっている。プロ野球の場合には2006年に8.3%あったものが、2012年には6.3%にまで下がっています。一方、Jリーグの方は2006年に3.9%とれていたものが、2012年には3.1%とここまで落ち込んでいます。プロ野球も下がっていると言われているとはいえ、まだ倍くらいの開きがあるということ。両方ともいい傾向ではないですが、Jリーグの方がより大変な状況にあるということです。

次に地上波のテレビの放映回数です。スカパー!やBSでもかなりやってもらっていますが、日本では地上波で放映するほうがやはり多くの人に見てもらえます。これもプロ野球とJリーグの比較をしています。プロ野球の場合には、2006年には135試合の放映がありましたが、2012年には58試合まで大きく落ち込んでいます。一方、Jリーグは、2006年に17試合放映していただいていたが、2007年には7試合にまで減っている。視聴率との関係があって、視聴率が取れないとどうしても放送は減っていきます。

次にスポーツへの関心度です。毎年、これは博報堂さんがリサーチしたものだと思いますが、スポーツへの関心度というのがあります。それを見ますと、2006年にプロ野球は約56%の人が関心を持っていた。それが2012年には36%にまで落ち込んでいる。Jリーグの場合には46%の人たちが関心を持っていたが、2012年には30%台まで下がってしまっている。なぜそうなるのか。その原因はよくわかっておりません。子供達はサッカーが好きで、少年の競技人口は野球よりも多くなってきていると思っていますが、世の中全体の関心を見ていると全般的に下がっていることは下がってきています。こういう現実があります。年々下がっていって、このままだとどうなるのという心配はあります。

それからJリーグの平均入場者数。J1の平均入場者数を見ると2008年がピーク。19,278人の平均の入場があったものが、2012年には17,566人。この間、J1では平均で1,700人のお客さんが減ってしまった。2013年はまだ終わってないので先週の時点の数字ですが、16,478人。J2では、2008年がピークですが、7,072人の方が2012年には5,805人と言うことで約1,000人の方が減っています。

一方、私たちフロンターレは2009年がピーク。18,847人の方に来ていただきました。2012年には17,807人ということで1,000人ちょっとのお客さんが減っています。今日は18,000人の方が来てくれましたが、いずれにせよ平均して16,500人ぐらいで、昨年よりも今ひとつ下がっています。

次に収入です。クラブごとの平均収入で取っています。J1の平均は2008年がピークで34億5千万ありました。2012年が30億7千万です。入場者数のところでも2011年がガクッと下がっているが、大震災があった年なので特異点と見ていいと思っています。収入も一番下がっています。

J1の平均値で言うと、12年は、1クラブ当たり3億8千万の減少。これは全体に直してみると18クラブなので、68億4千万くらい大きく減らしているということ。それからJ2は、2007年に11億6千万あったものが昨年で10億3千万まで減っている。フロンターレは2009年に36億あったものが、去年は31.5億まで減っています。

こういう状況の中で危機感を持たないといけない。今言ったようにさまざまな指標が右肩下がりになっており、このままだとお客さんの減少に歯止めがかからないんじゃないかという危機感があります。それから放映権料とかJリーグのスポンサーや協賛金。これは実は今年2013年度で契約が切れるんですね。来年2014年から新しい契約を結ばないといけない。その時に今現在の交渉で何と言われているかと言うと、2つ合わせて10数億のダウンが見込まれているんですね。10数億のダウンってどういう数字かと言いますと、JリーグはJ1とJ2の各クラブに配当金を出しています。それが10数億下がるというのは、J1でいうと1クラブあたり5千万くらい配分金が減るということ、J2では1クラブあたり2千万くらいが減るという数字に匹敵するもの。そのぐらい影響のある数字です。

そしてもうひとつ考えていかなくてはならないのは、ライセンス制度です。これはみなさんご存知だと思います。そこで一番厳しい条件というのは、財務面でのハードルなんです。3年連続赤字だとライセンスは出ません。これは専門的な言葉になりますが、債務超過をしてしまうと一発でアウトです。そういうこと考えると、やはりここで何らかの手を打って、下げ止まりをさせて、上昇に転じさせる必要がある。これが各クラブの置かれた状況です。

そのために何をしなければならないかと言うと、スタジアムにお客さんを呼ぶことです。お客さんを呼ぶことで入場料収入も増えますが、スポンサー収入も増える。まずそれをわかってもらいたいと思います。等々力に5千人しか入らなければ、スポンサー企業もお金は出したがらないと思います。一番やらなくてはいけないのは、スタジアムにお客さんを増やすということ。そのためにやらなくてはならないのが、試合の価値、質をあげるということ。ここが本質的な部分です。申し訳ないですが、今日の試合ではダメですね。やっぱり、どんなに守られても相手を崩し、チャンスを作って、点を決める。それをやらないといけない。それをしたら、興奮するゲームになるし、お客さんにも来てもらえる。それでJリーグの持続的な成長を導いていく必要があるんですよね。試合の質を上げていくため、何が必要かと言うと2つあって、選手の質を向上させること。チームの価値を上げて、それで試合の価値を上げていく。そしてもうひとつは、スタジアムの質の向上を図らなければならない。今、等々力のメインスタンドを改築していますが、これまではご存知のようにメインスタンドに屋根がありませんでした。メインスタンドに屋根の無いスタジアムなどありませんでした。そういうことも含めて、改善しています。そのため、この2つのファクターが大きな要因になります。

では、どのようにしてということになる。ここからは手段、方法論になります。今、各クラブはいろいろな意味で集客努力をしています。我々も一生懸命やっています。いろんなことをやっているにも関わらず、ああいうふうに下がっています。もちろん、チームの成績もあるし、世の中の景気もあるかもしれません。ただ少し各クラブの努力というものに限界があるんじゃないかなと、そういうふうに感じられるということです。Jリーグ全体で統一した大胆な施策を打つ必要があるのではないかと考えたわけです。

そのためには、ばらまきをするのではなく、集中投資をするということ。それをどこに投資するのか。やはりメディアへの露出と若手の育成。ここに的を絞って、集中投資をするということ。ばらまきでは、今までと何ら変わらなくなってしまうので、もうちょっと大きな手を打つ必要がある。そのためには原資が必要となりますよね。その原資を得るための手段として、今回のポストシーズンを採用するというのがJリーグの考え方です。

この話を図でしめしますと、ポストシーズン制を採用します。これでもって放送権料や協賛金を増やします。増やしたお金を、各クラブにばらまくのではなく、Jリーグとしてまとめて使うということ。その内容は、メディア露出と若手育成に集中投資するということ。これをやることによって、お客さんを増やします。お客さんが増えることで入場料だとか協賛金を増やします。ここで増やしたお金はチーム強化に投資して、試合の質の向上を図ろうということです。もう一つは、若手育成に投資することで試合の質の向上をはかろう。入場者数を増やそう、お金を増やそう、チームの強化をしよう、チームの強化をしよう、試合の質を向上させよう。こういうサイクルをどんどんまわしていこう。今、ちょっと負のスパイラルに落ち込んでいるところを、正のスパイラルに戻していこうというのが考え方です。

ポストシーズン制をとるということを実行に移すための要件としては、私が考えていることですが、なぜこういうことをやるのかということについて、世の中の人々に広く理解してもらう必要があると思っています。これについては、Jリーグとして、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌等々にかなり告知を行ったつもりです。ただ、現在振り返ってみるとまだまだ十分とは言えないなというのが実感です。これからもこれを続けていかなければいけないなというふうに思います。

それから、収入拡大の目途がついたのかということ。これは私たちがやっているわけではなくて、Jリーグがいろんなところと交渉しているが、Jリーグの人たちの感触としては増えるという感触を得ているということ。これを信じていこうではないかということです。

収入予測というのは、Jリーグの収入です。これは、2013年の予算ベースでトータル91億5,800万円の収入が見込まれています。中身は放映権料が48億、協賛金が38億1,400万、商品化権料が5億4,400万という内訳です。何もしないとここで10数億円下がってしまうと言われています。来年ですから、これは目前の危機です。ここはなんとかしないといけない。元に戻した上で上積みしていく必要がある。実施自体は15年以降で構わないから、何かちゃんとしっかりやるぞということによって、14年も13年ベースまで持ち上げようということ。なおかつ15年になったら、このベースから増やしていこうという交渉をしていて、高い感触を得ている。だからやろうではないかということです。

これは理事会で決まる前の実行委員会のベースなので、実行委員会では2ステージ制とプレーオフ制の2つを提案しています。2ステージ制というのはおわかりの通り、各ステージごとの年間1位と2位とがたすき掛けで勝ち上がり、最終的に34節での年間1位のチームとチャンピオンシップを争うという、こういうフォーマットです。プレーオフ制は単純で、34試合でのリーグ戦の1位から5位を並べて、もう一度戦おうということ。

実はテレビ局からの条件もありました。1位と1位が同じだとチャンピオンシップはありませんよというフォーマットははやめてくださいと。昔はどうなっていたかと言うと、1stステージの1位と2ndステージの1位だけのチャンピオンシップだったんですよね。これだと1位と1位が同じチームだとチャンピオンシップは行われなかった。それはダメです、必ずやるフォーマットにしてくださいというのが、テレビ局からの要望なんですね。

実行委員会では、J1・J2の40人の実行員によって議論しました。
ポストシーズン制をとるということについては、全員が賛成しました。もちろん1シーズンで34試合を戦ってチャンピオンを決めるのが一番公平で良いんです。これはみなわかっています。ただ先ほど説明したように、この大変な時期を乗り越えなくてはいけない。そこをどうにかしないといけない。じゃあ、どうしますかというところでポストシーズン制をとることにしました。大会方式については、2ステージ制に賛成の人が38人、プレーオフに賛成が2人でした。ただ、大会方式の詳細。これは基本のフォーマットであって、同じところが出てきたらとか、いろんなことが起こりえます。それについては、これからもう一度検討するということ。いろんなケースについては、これから考えていきます。それからアジアチャンピオンズリーグへの出場権も今後検討することになっている。実施するのは2015年からなので、これからじっくり検討していこうと思っております。

いずれにせよ、どの大会方式にせよ、大事なのは質の向上を図ることであるのは間違いありません。今までと変わらず、試合の質の向上を図るためには選手の質をあげなければいけない。各人の能力を高めるためのトレーニング、これはチームとしてあるいは個人として、もっともっと上げるようにやってもらいたいと昨日選手たちにも話しています。

それからもう一つ。若手の育成という意味では、今年からやっていますが下位リーグへの移籍制度をもっと活用するとか、来年からJ3ができますが、J1の選抜チームを作って参入させようという計画があります。選手は練習だけでは上手くなりません。そういう場で真剣勝負をして成長してもらう。こういったことで若手の育成を図っていくべきではないかという案であります。それからスタジアムの質の向上ということでは、等々力競技場の改修をやっている最中です。すべて終わるのは時間かかるけど、35,000人の素晴らしいスタジアムになります。これは絶対にお客さんに満足してもらえるスタジアムになります。そういうことで、今はメインスタンドの改築だけだが、そこの設計に入りこんでお客さんのため、我々が使いやすい、そういったスタジアム。一体感、臨場感というのをキーワードにしてやっています。絶対にいい競技場ができるはずです。余談になりますが、2020年の東京五輪が決まりました。もしサッカーの会場がまだ決まっていないなら、会場にしてもらえないかと行政にお願いして、工事の前倒しをしてもらえないかと思っております。

それから、試合のスケジュールの調整というのがあります。中2日の回避。選手たちからも夏場を戦って、中2日の連戦はダメだよと言われている。これはやっぱりパフォーマンスが下がるということが夏場は起こる。中2日では試合の価値が上がらないということが起こる。それから疲労によるケガが増える可能性がある。こういったことで中2日はどうしてもやめなくてはいけないなと私も強く思っています。来シーズンから2シーズン制をとるわけではないが、それとは関係なく、パフォーマンスは上げていかないといけない。そのため来シーズンのスケジュールの検討にこれから入っていくが、その中では中2日は止めていかないといけない。要するに土曜日はJ1、日曜日はJ2と決め打ちして、この方がお客さんにわかりやすいだろうということでそういうスケジュールを組んでいるが、これではやっぱり選手がもたないよと。土曜に試合をやって、水曜日にやったら、次は日曜とならなくてはいけない。私は変えるべきだと思うし、ぜひやっていきたい。

最後、集客の努力・施策を続けていかないといけない。当然、大会フォーマットを変えることによってお客さんの関心を集めるということもあるが、それはそれとして地道な活動。これは絶対に必要。常にやっている楽しいスタジアムづくり、フロンパークでいろんな飲食を提供している。スタジアムのイベントを毎回やってお客さんに楽しんでもらっている。改築中はフロンパークもどうなるかはわかりませんが、これはしっかりやっていきたい。

あとは、地域貢献活動。これはフロンターレがJリーグでも屈指だと言われているが、これからも続けていく。やっぱり告知。ワクワクする告知・PR。これを打って、お客さんに関心を持ってもらって等々力に来てもらう。そして来てもらったら、今日のような試合をしないようにする。試合は勝ったり負けたりするので、今日のような試合もあると思っています。いつもいつも勝っていたら全勝優勝ですから、そんなことはありえない。負けることはある。でも負け方があると思っています。そこを我々はよくしていかないといけない。風間監督にも頼んでおりますし、彼もよくわかっております。

こういったことで2015年以降、2ステージ制をやっていきます。何度も言いますが、1シーズン制のほうが良いことはわかっていますし、どこかで戻るかもしれません。ただ、この危機はみなさんも僕らと一緒に共有してください。負のスパイラルに入ると大変なんです。どんどん落ち込んでいいきますから。そうならないようにしたい。みなさんにもぜひ協力して欲しい。ここに来ている人はみな仲間ですし家族です。みなさんも集客に協力してください。一人の人が2人、3人と連れてきてください。そうやって、Jリーグを盛り上げたい、フロンターレを盛り上げたい、優勝させたいと思っています。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答

Q.やることは決定したため、今後に向けたことが大事だと思います。ただ今までもミリオンプロジェクトなどを立ち上げていましたが、それを経てどうだったのか。そういうチェックの部分がこちらには伝わってきていません。今後1シーズン制に戻すことの影響も含めて、そういったチェック体制というのはどうなっているのでしょうか?

A.今のお話は非常に重要だと思います。やりっぱなしではいけないわけで、やったことがどうだったのかという評価をしないといけないです。これはKPI( key performance Indicator )という略称で、いくつかの指標を作って、それがいくつで、やり始めたらどうだったかということをしっかり取ろうとしています。

Q.その結果は公表されますか?

A.その結果が出るのは2015年が終わってからだと思いますが、公表するようにしていきましょう。

Q.選手に対する説明が後回しになっている点について。2シーズンを取る時点で説明すべきだったのでは?

A.後回しにはなっていないと私は思っています。先日、説明をしています。それが遅れたと言われたら、リーグではなく私の問題ですが、私としては、決まる前にいろんなことを説明しても混乱するだけだという思いがありました。それが問題だというのであれば申し訳なかったと思っています。

Q.各クラブの営業努力は感じるが、Jリーグ側の営業努力がなかなか見えない点について。

A.Jリーグの営業努力というのは、放送権料、協賛金に当たるものです。営業努力が足りないからこれらが下がったと言われればその通りかもしれませんが、先ほど申したように、テレビでいえば、視聴率が取れなくなっている。そうなると、こちらからやってくださいとお願いしても、「やりません」と言われてしまう。決してJリーグが何もやっていないというわけではないと思っています。

Q.大会フォーマットの詳細について。成績の良いチームは重複する可能性が高いなどの問題はあるが、そこは一年あるのでこれから詰めるという説明に違和感を感じた。では2ステージ制にすることはなぜこんなに焦って決めてしまったのか。一番大切な中身が決まらないうちに、枠組みだけが先に決まったことに疑問を感じる。

A.それは、15年からやると決断しないと14年の契約交渉も進まないためポストシーズンをやるということを決めました。物事を決めるときに全部詳細を決まらないと進まないかというとそうではなく、大枠を決めておいて、その後にブレイクダウンして決めていくやり方もある。そこにご理解と納得をいただきたい。

Q.日程が破綻しているため、春秋制を止めると案があったが、さらに3節増えることになる。それでいて中2日の試合を止めるとのことだが、武田理事としてそこはお約束いただけるのか?

A.私としては、声を大にしてやろうと思っています。

Q.ポストシーズン制の案自体はJリーグ主導で進めたものなのか。この内容について、WEBを使って公募するなどの考えはなかったのか?

A.Jリーグで進めたもの。公募するなどの考えはありませんでした。しかし、各クラブにどういう案があるのかは聞きました。ただそれは公開されていません。

Q.サポーターの意見を聞く意志がJリーグにはあったのかどうか。それを無視しているから、今も各スタジアムで横断幕が出ているのでは?

A.そこについては確かに遅れたかもしれない。ずっと検討していく中で、このお金の部分でどうしようもない。やらざるを得ないというのは理解して欲しい。

最後に

今日は遅くまでありがとうございました。私の今の考えはすべて話せたつもりです。みなさんからはご不満があるかもしれないが、今は危機にきている。これがベストだとは思っておりません。これでいったん流れを変えて上向かせていくんだということでご理解を賜りたいと思っています。今日はどうもありがとうございました

以上

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