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OB'sコラム

Ready,Betty,Go!

2006 / file01

スタート

久野智昭
Kuno,Tomoaki

1996年、東京農業大学よりフロンターレの前身、富士通川崎に加入。本職のボランチに加え、サイドもこなすユーティリティープレーヤーとして9年の長きにわたりフロンターレを支える。2005年12月、惜しまれつつも引退。現在、フロンターレ強化部スカウト担当として人材発掘に邁進中。
1973年9月25日生まれ、静岡県出身。170cm、68kg。

はじめに今まで応援してくれたすべての人にありがとうと言いたい。まず引退を決めてから今日までの生活と心境を語りたいと思う。

 リーグ戦最終戦のセレモニーで僕のサッカー選手としての人生は終わったと感じた。天皇杯もあったが、頭の中は次の人生に切り替わっていた。もちろん、天皇杯を戦うため練習は頑張っていたが、今後のためにとパソコン教室に通うことにした。午前中練習がある日は午後から教室に通い、天皇杯敗戦後は、毎日バスで朝から夕方まで通った。パソコンの技量は入力とインターネットを見る程度だったが、グラフを作ったり、絵を書いたりと色々出来るようになり、日々楽しく学べた。また、この時期あまりサッカーのことを考えたくないと思っていたので、パソコン教室に通うことによってサッカーと少し距離をおくことができた。いつもより少し長いオフの生活は、毎朝30分、愛犬ベルとの散歩に始まり、パソコン教室に通い夕方帰宅後ベルと散歩するという規則正しい生活を送っていた。

 1月26日、初出社の日、選手の前でスタッフ全員が挨拶をした。もちろん、僕も「スカウトを担当する久野です」って挨拶したが、自分の前に座っているほとんどが去年まで一緒にプレーした選手たち。毎年行われる事だが、これまで見ていた風景が、今年は選手を見る側になり何だか違和感があった。この日、選手たちの練習を見た。見たらやりたくなるかなと思ったが、不思議なことにそんなふうには感じなかった。たぶん選手からスタッフへと気持ちが切り替わっていたからだと思う。
 翌日、下野毛ではじめて子供たちのスクールを手伝った。子供たちの一生懸命な姿を見て感動した。うまくなろうと頑張っている彼らを見て僕自身もやる気が出てきた。子供たちが上達するようサポートしていきたいという気持ちが強くなった。

 去年の開幕戦はアウェイでなおかつJ1経験者が少なかったことから動きがいまひとつでした。今年はホームで迎えられたことが非常に大きかったのではないかと思う。そして、キャンプで練習試合で完勝だったのから一転、プレシーズンの大宮戦での引き分け。この試合で選手はそんなに甘くないと気持ちが引き締まったのでしょう。その結果6対0という試合につながったのではないか。この結果でもちろん他のチームからもマークされると思いますが、その中でどれだけ選手が自信を持って戦えるかが僕にとってはとても楽しみです。

 この原稿が掲載される頃には京都戦の結果も出ているでしょう。楽しみです。

 リーグ戦もスタート。スケジュール帳、名刺入れを準備し、これから僕の新しい人生もスタートしました!!

2006年03月16日 久野智昭

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