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OB'sコラム

Ready,Betty,Go!

2007 / file02

アイデア

久野智昭
Kuno,Tomoaki

1996年、東京農業大学よりフロンターレの前身、富士通川崎に加入。本職のボランチに加え、サイドもこなすユーティリティープレーヤーとして9年の長きにわたりフロンターレを支える。2005年12月、惜しまれつつも引退。現在、フロンターレ強化部スカウト担当として人材発掘に邁進中。
1973年9月25日生まれ、静岡県出身。170cm、68kg。

サッカーに必要なものの一つにアイデアがあります。今回は、アイデアについて書いてみたいと思います。そのアイデアとは、ゴールを奪うアイデアとゴールを守るアイデアです。ゴールを奪うために相手をかわしたり、相手の逆をとったり、ゴールを守るためにボールを奪ったりするアイデアがとても大切だと思います。

今のサッカーは組織的になってきていて、アイデアがないとゴールはなかなか生まれないように思います。
高校・大学サッカーを見ていても、いいサッカーをしているけど点が取れないチームがあります。中盤までうまくボールをつなぎ、ペナルティーエリア付近まで行くけど最後のところで、もうひと工夫なくゴールが奪えない。このような状況をよく目にします。

アイデアとは、子供のころから「自由」を与え失敗を恐れずチャレンジできる環境を指導者が作ることだと思います。僕が、指導している5・6年生のスペシャルクラスでは、子供達に「失敗してもいいからチャレンジしよう」と言っています。
アイデアとは、サッカーだけで得るものではないと思います。生活の中で得るアイデアもあると思います。そのために、子供達には一日一日を大切に過ごしてほしいと思っています。なぜなら、日々の積み重ねからアイデアは生まれると考えているからです。

アイデアが生まれにくい環境というのもあると思います。その中で、僕がプレーしていて感じていたアイデアが出にくい状況、またアイデアを発揮できにくい状況にいついて書きたいと思います。
一つは指導者にミスに関して言われすぎたとき、もう一つは、情報を与えられすぎ相手にあわせたサッカーをしたときです。自分の持ち味やアイデアを出しにくくなり消極的になってしまいました。特に育成年代では相手に合わせるサッカーではなく相手が自分たちのチームに合わせてくれるようなサッカーができれば、個人としてのアイデアだけでなく、チームとしてアイデアを共有できるのではないかと思います。

やはり、アイデアは、積極的な姿勢がないと生まれないと思います。
指導者をやっている以上、失敗を恐れない積極的にできるような環境を考えてやっていきたいと思います。そして、自分も楽しく、そして見ている人を楽しませるような選手を目指してほしいと思います。

2007年06月10日 久野智昭

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