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OB'sコラム

鬼さんと一緒

2007 / file01

開幕戦

鬼木 達
Oniki,Toru

市立船橋高校を卒業後、鹿島アントラーズに加入。1998年、当日JFLに所属していた川崎フロンターレに期限付き移籍。わずか1年で鹿島に戻るも、在籍中、サポーターから「川崎の宝」とまで呼ばれ愛された男は待望の復活。以来、無尽蔵のスタミナでピッチを走り回り、キャプテンとしてチームを強烈に引っ張る。現在、フロンターレ育成普及コーチとしてピッチを走り回る。
1974年4月20日生まれ、千葉県船橋市出身。

今回からOB'sコラムに参加する事になりました。コラムを書くにあたってまず初めに伝えたい事は今まで応援して頂いたみなさんに「ありがとう」という言葉を伝えたいと思います。J2の苦しい時代から今日まで本当に多くの応援全てが心に残っています。
特に昨年のホーム最終戦での引退セレモニーは自分の選手生活に区切りをつけるのに本当に良いものになりました。フロンターレとアントラーズというお世話になった両クラブのサポーターから祝福されて引退できた事に本当に感謝の気持ちでいっぱいです。今まで本当にありがとうございました。

そして2月1日から僕の第2の人生がスタートしました。仕事の内容は育成・普及という事で子供達の指導やサッカーを世の中に広めるという感じです。
といっても今はまだ午前中に事務所で行うパソコン作業を覚えるので大変です。それでも新しい事に挑戦するのは楽しいものでパソコンや子供達の指導など早く覚えて頑張りたいと思います。
特に子供達の指導に関しては凄く大事な事だと思っています。自分自身が小さい時に教わった事がそのまま大人になっても反映されてきたからです。
サッカー選手としてもそうですが人としても小さい時に大人から言われた言葉というのは強く印象に残るからです。だから僕はサッカーを通して子供達に技術はもちろん、人として礼儀挨拶にはじまり挑戦する気持ち、諦めない気持ち、仲間を思いやる気持ちなどあげればきりがないけど色々な想いを伝えていきたいと思います。

僕はこんな感じで意気込んでいますが、選手達はもうすぐ開幕という事で色々な想いでいる事でしょう。
僕が現役だったこの時期に一番大切だと考えていた事は、チームの雰囲気です。毎年新入団選手が入って新しいチームでスタートする中でチームの雰囲気というのは大変重要です。1月にスタートをきって12月の最終戦を迎えるまでの期間選手達は仲間でもありライバルでもあります。そしてピッチに立てるのは11人というキビシイ現実もあります。
そんな中でチームワークというのが鍵を握ります。そういった意味でいうと、ここ数年フロンターレは非常に良い状態だと思います。今年はチームで行った筑波大でのコミュニケーションをとる為のトレーニングをし、新入団選手が多く入った年には、本当に良い事だと思います。
そしてかかせないのが毎年開幕1週間前に開く選手全員の食事会です。主にブラジル料理店が多く外国人選手も喜んで参加します。ここでは新入団選手の自己紹介や一発芸的なものがあったり選手同士の暴露があったりとグラウンドでは見られない姿が見られて大変盛り上がります。そうして自然とチームが一つになって最後には1年間全員で頑張ろうと団結ができるのです。

では開幕戦はというと、僕の場合は不安より楽しみの方が大きかったです。それでも試合の前日の夜は寝付けなったり試合でボールに触るまでは落ちつかなかったりしたものです。今いる選手も当然不安や緊張・喜びなどさまざまあると思います。しかし試合が始まれば全員がチームの勝利の為、必死で戦ってくれる事でしょう。そして観ている人々にサポーターに感動を与えてくれる事と信じております。

僕は今回サポーターの立場から開幕戦を観る事になるので、夜もゆっくり眠れそうです。
それではみんなで開幕戦を盛り上げましょう。

2007年03月01日 鬼木 達

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