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OB'sコラム

球蹴り〜玉置晴一〜

2007 / file02

食事

玉置晴一
Tamaoki,Seiichi

愛媛・今治工高を卒業後、川崎フロンターレに加入。 精度の高いパスを繰り出すレフティーも、故障に泣き、わずか3年で惜しまれつつ現役引退。 2005年にスクール担当コーチとして待望のフロンターレ復帰。 現在、U-12コーチとして、持ち前の明るさを武器に子供たちを引っ張り、未来のフロンターレ戦士の育成に邁進する。 1982年4月26日生まれ、愛媛県今治市出身。

前回、良い選手を育てるにはグラウンド以外での良い習慣も、一つの大きな要因だということを書きましたが、今回はその中の一つとして少年期での『食事』について書きたいと思います。

プロサッカー選手にとっても自分の身体というのは一番大切なものであり、「健康で丈夫な身体」なくしてはプロの世界では通用しないと思います。その身体を作るのには様々な要素がありますが、絶対に不可欠なこととして『食事』があります。少年期において一番大切なことは、食事の『量』ではないかと思います。それは、サッカーが『動く』スポーツだということと、身体の成長という面から考えられます。

プロのサッカー選手が1試合に走る距離は平均で約10kmだと言われており、少年サッカーでも距離は違いますが、動くスポーツだということに変わりはありません。つまり、普段の食事から量を食べていないと動くことができないということです。
身体の成長についてですが、この時期に量をたくさん食べる習慣がついていないと、上の年代になればなるほど習慣というのは変えにくくなってしまうもので、一番の成長期(個人差はありますが)に必要な栄養を摂取できなくなってしまい、それにより身体も大きくなりません。

僕が見ているU-12では保護者の方の協力を得て、トレーニング後や試合の後に必ずお弁当を子供に持たせていただく様にお願いしていますが、最初にそのお弁当を見たときには「それで足りるの?」と質問してしまう様な量でした。話を聞くと、朝食を食べていない子やパン1枚ですませている子。給食でご飯をおかわりしたことがない子…などなど。
このように最近の子供たちは、食べる量が少なくなっているのではないかと思うことがあります。自分の少年期を思い出しても、誰に言われるでもなく、ご飯はたくさん食べていましたし、とにかく食事の量は多かったと思います。「両親は苦労しただろうな」と今になって思いますが…。

ここで!お母さんの登場です!この状況を変えられるのはお母さん方の協力なくしてはできません。一番の理想は、朝、昼、夜と3食しっかり量を食べること。野菜やお肉などの栄養バランスも考えながら食事を取ることも大切ですし、好き嫌い無く何でも食べることも大切です。もちろんまだ子供なので、おいしいお菓子やジュースに目が向いてしまう年代ですが、それによって家での食事の量が少なくなってしまっては、理想の身体は作れません。時には我慢することも大切でしょうし、食べる物を変えることも必要だと思います。

最初は、少ししか食べることの出来なかったU-12の選手たちも、最近では子供たち自身がプロになるためには食べることも必要だと理解するようになりました。お父さんやお母さんの協力で、家庭でも食事についての意識を変えていただいたことで、今ではたくさん食べられるようになってきました。もちろん習慣なので時間のかかることですが、今の食事のお茶碗一杯の量からでも増やしてみてはいかがですか?少しずつ変えていくことで習慣は身についていくと思います。

2007年06月01日 玉置晴一

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