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OB'sコラム

球蹴り〜玉置晴一〜

2007 / file04

遊び

玉置晴一
Tamaoki,Seiichi

愛媛・今治工高を卒業後、川崎フロンターレに加入。 精度の高いパスを繰り出すレフティーも、故障に泣き、わずか3年で惜しまれつつ現役引退。 2005年にスクール担当コーチとして待望のフロンターレ復帰。 現在、U-12コーチとして、持ち前の明るさを武器に子供たちを引っ張り、未来のフロンターレ戦士の育成に邁進する。 1982年4月26日生まれ、愛媛県今治市出身。

今回は、『遊びの重要性』について書きたいと思います。
自分の中で“遊び”とは、鬼ごっこ・かくれんぼ・泥警(こっちでは警泥らしい)・缶蹴り、もちろんサッカー!野球やバスケット・ドッヂボール…など、他にもたくさん上げられますが、どれも楽しいことには変わりありません。今思えばですが、こういった楽しい“遊び”の中から、サッカーに必要な身体の動きや、色々な考え、アイデアを身につけて行ったのではないかと思うことがあります。

例えば鬼ごっこでは、鬼から逃げるときに、ターンをして方向を変えたり、ステップを踏んでかわすなど、サッカーに必要な動作がたくさん含まれています。鬼ごっこもそうですが、かくれんぼや缶蹴りなどでは、どこに隠れれば見つからないか?どのタイミングで出て行けば、鬼に見つからずに缶を蹴ることができるか?など、色々な考えやアイデア、また相手(鬼)との“駆け引き”などが自然に出てきたりします。また、野球やバスケットなどの手を使う球技をやることで、手や肩などの上肢が鍛えられます。

このように、楽しい“遊び”の中にはサッカーに不可欠な要素がたくさんあると思います。僕も小学生ぐらいの時は、サッカーだけではなく、外で遊ぶことが多かったですし、親の提案で僕の友人を誘ってキャンプをしたり、とにかく楽しく“遊ぶ”!その中で色んなことを考えていた記憶があります。

しかし、今では楽しい“遊び”の場がなくなってきているのも事実です。何度か子供たちに、こんな質問をしたことがあります。「みんなは、いつも何をして遊んでいるの?」返ってきたほとんどの言葉は、やはりと言うか“ゲーム”でした。これは、都会が抱える一つの問題かもしれませんが、子どもがおもいきり遊ぶ場所が少ないがために、家で過ごす時間が長く、みんなとTVゲームをして楽しむ。また、自分も普及活動で川崎市内の小学校を巡回し、体育の時間を使ってのサッカーの授業に行きましたが、子供たちに話を聞くと放課後などは、子どもの安全面を考え、校庭の使用が禁止になっている学校もあると聞いたことがあります。

確かに昔と比べれば、子どもが安全に楽しく、おもいきり遊べる環境が失われてきているように思います。
ただ、この環境はすぐには変えられないものかもしれませんが、かえられるものもあると思います。
それは、もちろん!お父さんやお母さんの協力が必要です。例えば、少しでも時間があれば子どもと一緒にキャッチボールをしたり、休みの時にはなるべく外に出かけて一緒に走り回ったり、余裕があれば友達を大勢誘ってキャンプに行くなど、少しのことかもしれませんが、こういった子ども達自身が考え、楽しく“遊べる”場を提供してあげるのも大事なことだと思います。そうすることで、自分もそうだったように、きっと大きくなった時に「あの時の経験が良かったんだな」と思うことでしょう。

毎日のお仕事でお疲れかもしれませんが、子どものために、是非!立ち上がっていただきたいと思っています。

2007年10月01日 玉置晴一

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