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2005 / file14

アウェイ!(後編)

向島 建
Mukojima,Tatsuru

1966年1月9日静岡県生まれ。静岡学園高-国士館大-東芝を経て1992年清水エスパルス入団。1993年Jリーグオールスター戦出場。1997年川崎フロンターレへ移籍。以来2001年の引退まで要衝としてチームを支える。2002年から川崎フロンターレフロントスタッフ。2003年にはフットサル日本代表候補に選出。「SUKISUKI!フロンターレ(iTSCOM)」やサッカースクール・サッカー教室・講演・フットサル解説など川崎のサッカー伝道師として多方面で活躍中。

サッカーは、90分間に様々なことが起こる。予想できないことや突然のプレッシャーに襲われたり、同じ状況などなく、何かがいつも違う。一生同じメンバーで戦うわけではないし、相手も違う。勝利するために全力を尽くすが、何が起こってもおかしくないそんな状況を選手たちは即座に判断し対応していかなければいけない。それには、技術的にもしっかりとしたものが必要で体力的にもタフであることや、どんな状況になっても乱れない動じない精神力が必要だ。それは、各選手に個人差はあるが突然身につけることはできないし、急に性格を変えることなどできない。小さい頃からの過ごし方や教育なども大きく関わってくる要素はあるのではないか。

私がサッカーを始めた静岡県藤枝市にある青島サッカー少年団は、毎年、夏と冬に東京都練馬区にある上石神井北小学校とサッカー交流を行っていた。入団した小学校3年生の夏には、私たちの住む藤枝市に上北小がやって来て、選手たちの家に宿泊し、冬には青小の私たちが彼らのところに行って、各選手の家に宿泊させていただき選手の家族と過ごした。勿論サッカーの試合がメインであり、お互い勝負にこだわり白熱した試合がいつも行われた。上北小の子供たちの成長が自分たちの刺激にもなっていたため、練習の成果を見せるためにも、半年に1回の再会を心待ちにしていた。その他にもよみうりランドでの大会への参加など小さい頃から、チームで遠征し違う環境で生活し違う地域の子供たちと試合を行った。

私がサッカーを始めた静岡県藤枝市にある青島サッカー少年団は、毎年、夏と冬に東京都練馬区にある上石神井北小学校とサッカー交流を行っていた。入団した小学校3年生の夏には、私たちの住む藤枝市に上北小がやって来て、選手たちの家に宿泊し、冬には青小の私たちが彼らのところに行って、各選手の家に宿泊させていただき選手の家族と過ごした。勿論サッカーの試合がメインであり、お互い勝負にこだわり白熱した試合がいつも行われた。上北小の子供たちの成長が自分たちの刺激にもなっていたため、練習の成果を見せるためにも、半年に1回の再会を心待ちにしていた。その他にもよみうりランドでの大会への参加など小さい頃から、チームで遠征し違う環境で生活し違う地域の子供たちと試合を行った。

自分たちの住み慣れた場所や戦い慣れた相手だけでなく、行ったことも見たこともない環境がそこには実在することや、自分よりレベルの高い様々な子供たちがたくさんいるということを知るのは、自分自身に視野が広がり、大きな夢や目標を掲げることにもつながり、とてもいい体験になった。お世話になった家には、その家のルールがあり、生活の違いや言葉のイントネーションや方言の違いがある。異なった環境に戸惑ったり、藤枝の田舎育ちの私たちが東京の都会育ちの子供たちと接するだけで意識してしまいコミュニケーションのとり方に迷ったり、今思えば笑い話しでいい思い出だったが、このような小さい頃からの経験があったからこそ、一人ではけして成り立たないチームスポーツ、サッカーでプレーができたと思う。

また、中学校2年時には、青島サッカー少年団の先輩にあたる菅藤さんの家に下宿した。私がサッカーを続けて来て、初めて体格の差を痛感していた時期で、そんな時に親同士の間で話が弾んで決まったらしい。中学校から帰宅するとき私の家までは10分もかからない近さだが、逆方向の30分以上かかる菅藤家に帰る。友達からは不思議に思われたが気にしなかった。家には厳しいおじさん、優しいおばさん、高校選手権で活躍し、藤枝市役所サッカー部GKの長男正則さん、藤枝東高校サッカー部の選手が2人、次男GKの昭義さんと、東京の上北小出身の下宿人、落合さんだ。話題はいつもサッカー!サッカー!サッカー!で、珍しい海外サッカーの映像もよく観させてもらった。筋トレやランニングも頻繁に行われ、勿論勉強もやった。そんなサッカー一家の中での厳しい生活が1年間続いた。シーズンの半分以上をアウェイで戦わなければいけないサッカーの世界で、このような経験はとても意味のあるものだったのかもしれない。

今U-15をサポートしているが、上手で練習熱心で特徴ある選手は多い。海外の情報などは頻繁に入って来て世界は近くなっているようだが、実際に行ってみなければ遠い世界だ。できることならこの年代では既に海外遠征を経験させてあげたい。将来Jリーガーとしてプレーするためにも世界を実際に見て感じて経験を積み自分の中に大きな目標や夢を描ければ幸いだ。
場数を踏むことの大切さは、サッカー選手を目指している子供たちにとって、アウェイに強くなるためには絶対に必要なことで、小さい頃からアウェイ(遠征)を経験させることは、どんな状況になっても動じないたくましいJリーガーを育てるためには重要なことだと思う。
サッカーでは、アウェイ試合が多いということを、しっかり理解しておかなければいけないから。

2005年05月20日 向島 建

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