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2005 / file16

サッカー映画!

向島 建
Mukojima,Tatsuru

1966年1月9日静岡県生まれ。静岡学園高-国士館大-東芝を経て1992年清水エスパルス入団。1993年Jリーグオールスター戦出場。1997年川崎フロンターレへ移籍。以来2001年の引退まで要衝としてチームを支える。2002年から川崎フロンターレフロントスタッフ。2003年にはフットサル日本代表候補に選出。「SUKISUKI!フロンターレ(iTSCOM)」やサッカースクール・サッカー教室・講演・フットサル解説など川崎のサッカー伝道師として多方面で活躍中。

先日、「リトルストライカー!」という映画をTVで見た。
海外の試合は、よく見るが、サッカー映画は久しぶりだった。
主人公はイギリスのマンチェスターに住む、マンチェスター・シティの大ファン、ドジで気弱なサッカー少年ジミー・グリンブル(ルイス・マッケンジー)。ジミーは、グリーノック校のサッカー部に所属している。一人で練習しているときは、ドリブルやリフティングは上手だが、チームではマンチェスター・ユナイテッドファンの少年たちにいじめられ仲間外れにされたり、人前で行う試合では思うようにプレーできない。

ある日、不思議な老婆から 「シティにいたロビー・ブルーワーが履いた」という古いサッカーシューズを貰う。そのシューズを履いて試合に出場すると驚くようなロングシュートを決めることができた。皆は、古いシューズを見て最初は笑っていたが、ジミーが活躍するにしたがって信頼するようになりチームに欠かせない存在になっていった。ジミーの活躍でグリーノック校は決勝戦まで勝ち進んだ。決勝の舞台は憧れのプレミアリーグ、マンチェスター・シティのホーム、メイン・ロード・スタジアムだ。

試合当日ジミーは、一人の高慢なチームメート、ゴードンに履いていたシューズを捨てられてしまう。困ったジミーだったが、元シティの選手でコーチのエリック・ウィラル(ロバート・カーライル)からスタジアムのショップで新しいシューズを買ってもらいプレーするが、いつものようにはいかない。ハーフタイムにジミーは「老婆から貰った魔法の掛かった古いシューズでなければプレーできないんだ!」と、肩を落とすが、コーチのウィラルは 「プレーするには勇気が必要なんだ!」と、自分の経験を話し、ハリー(ジミーのママの昔の恋人/レイ・ウィンストン)もまた、ジミーはいつものようなプレーができるはずだと、シューズの謎を解くためタジアム内を駆ける。そして、ブルーワという選手など過去にはいないことを知り、古いシューズは魔法などかかっていなかった。「これまでのプレーは全て自分の実力だったんだ!」と、自信を取り戻す。後半、ジミーは見違えるようなプレーで優勝に貢献する。試合後に、ユナイテッドのスカウトから 「是非うちに来ないか?」と、誘われるが 「僕はシティに行く!」と答えた。ジミーが、世界的ビッグクラブよりシティを選んだところは、最高に格好良く思え、気持ちがいい瞬間だった。練習でできたことは試合でも必ず出せるはず。力を発揮するには、自信や勇気が大切だ。

この映画は、サッカーの母国イギリスと1998W杯でも優勝したフランスの両国で共同制作され、サッカーでは世界的に有名なマンチェスターが舞台だ。これを見ているだけでも雰囲気が伝わりワクワクしてきてサッカー好きにはたまらない作品だ。内容も少年はサッカーが大好きで、優しくて、いじめられても自分の力で段々たくましく変わっていく様子が描かれている。
自信を持ってプレーすることの大切さなど、いろんなことを感じさせてくれる作品だった。

また、この映画と似た 「ボールのまじゅつしウィリー」というサルが主人公の絵本がある。私は、サッカーに関する絵本だったため興味があり、思わず購入した。娘が小さいときには、この本を何度も読んであげていたが、また近々息子(もうすぐ2歳)にも読んであげたいと思う。是非、小さいお子さんがいる方はチェックしてみてください。

映画を見たり、本を読んだときの感じ方は、人それぞれ自由だ。作られたものだったり現実離れしていることも多いが、受け止め方次第では、自分を見つめ直すきっかけになったり、これからも頑張って行こうと思えたり、人に伝えられることなども多い。見て読んで感受性を得たり、想像力を高めたりすることも重要で、何よりも前向きになることができれば、最高で貴重な時間を過ごしたことになるだろう。

2005年06月16日 向島 建

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