ナビスコカップ予選リーグ／Cグループ第4節、柏レイソル戦。先に行われた同グループの札幌対千葉は、千葉が勝利し勝点を8に伸ばした。フロンターレが予選を1位で通過するためには、アウェイで勝点3を取ることが最低条件となる。だが、チームは5人の代表招集や怪我人が続出。この厳しい状況を打破することができるか。雨上がりの柏の葉公園総合競技場。16:00キックオフ。

フロンターレスターティングメンバーは、2トップにジュニーニョとテセ。中盤は底に養父が入り、右に田坂、左に大橋。右アウトサイドに森、左に久木野。伊藤-横山-村上の最終ライン。GK植草。ファーストシュートはフロンターレ。立ち上がり数十秒、ジュニーニョがボールを中央で受けて右に流れながらミドルシュートを放つが、これはDFにブロックされる。4分、柏の攻撃。中盤でルーズボールを拾われ、走り込んだ菅沼が左サイドからシュートを放つが、GK植草が飛び出し足でセーブ。さらに6分、アレックスのフリーキックに古賀がゴール前に飛び込むが、ここもGK植草が体で止めてピンチをしのぐ。柏がスペースを狙ったシンプルな攻撃でペースを握るが、フロンターレも徐々に落ち着きを取り戻す。13分、大橋の右コーナーキックのこぼれ球を横山が戻し、走り込んだ田坂がミドルシュートを狙うが枠をとらえきれず。その後はこう着状態が続く。19分、フロンターレの攻撃。ボールをつないで左サイドへ展開。田坂がドリブルからグラウンダーのクロスをゴール前へ。しかし、この折り返しには惜しくも誰も触れず。すると25分、柏の右コーナーキック。アレックスのクロスを古賀の頭に合わされ、技ありのゴールで先制点を奪われてしまう。（0-1）

その後も柏の攻勢が続くが、31分、フロンターレが反撃を見せる。テセのポストプレーからパスをつなぎ、養父が最終ラインとGKの間に絶妙のアーリークロスを入れ、ここに走り込んだテセが足を出してゴールネットを揺らし同点に追いつく。（1-1）　さらに33分、テセのドリブルから得たペナルティエリア右からのフリーキックのチャンス。大橋がゴール前のわずかなスペースにボールを送り、ここに走り込んだジュニーニョがダイレクトでシュートを狙うが、GK菅野の好セーブに阻まれてしまう。さらにコーナーキックからフロンターレが攻勢をかけるが、ここもGK菅野の好守に阻まれゴールならず。37分には、田坂のスルーパスをテセが受け、こぼれ球を拾った左サイドの久木野からボールを浮けたテセがシュートを狙うが、これはうまくフィットせずGKキャッチ。40分、柏の攻撃。自陣でパスカットされてフリーのポポにボールが渡るが、シュートは枠には飛ばずことなきを得る。しかし迎えた前半ロスタイム、柏の中央からのフリーキック。ここでポポに直接狙われ、豪快なロングシュートがゴール右隅に決まってしまう。（1-2）　メンバーが大幅に変わりながらも、流れのなかでの守備のオーガナイズはできていたフロンターレだったが、セットプレーから個の技術で2失点。前半を1-2で折り返した。

ハーフタイムのロッカールーム。「崩されていないぞ。集中を切らさずに最後まで続けていこう!」と村上が声をかける。後半立ち上がりにしかけたのはフロンターレ。45分、テセのボールキープからジュニーニョがドリブルでDFを引きつけスルーパス。右サイドから走り込んだ田坂が角度のないところからシュートを狙うが、これはDFに当たってしまう。50分、右サイドで森とのコンビネーションからボールを受けた田坂がフェイントからミドルシュートを狙うが、わずかにゴール左に外れる。52分、柏の攻撃。フロンターレが攻撃に出るところを奪い返され、ショートカウンターから菅沼にミドルシュートを打たれるが、これはゴール上に外れてことなきを得る。カウンターを狙う柏に対して、ボールをつないで崩しをかけるフロンターレ。しかし、中盤で柏の守備網にかかってしまう場面が目立つ。58分、フロンターレの攻撃。自陣からボールをつないで右サイドへと展開。田坂のクロスに久木野がゴール前に飛び込むが、目前で柏DFにクリアされる。60分、柏の速攻。シンプルにパスをつながれ、大谷からのクロスにゴール前のアレックスがフリーで頭に合わせるが、このボールはゴール左に外れてことなきを得る。マイボールにしても中盤でボールを奪い返され、戻りながらディフェンスをしなければならない苦しい時間帯が続く。フロンターレも苦しみながらも速いパス回しから崩しをかけるが、粘り強い柏ディフェンスを突破することができない。

72分、久木野に代えて黒津を投入。黒津が中盤左に入り、村上が左サイドバックに回って4バックへとシフト。74分、フロンターレの左コーナーキック。大橋からのボールにテセが飛び込み頭で叩き付けるが、このシュートはゴール左に外れる。76分には養父が中盤でボールカット。そのままロングパスを前線へ。ボールを浮けたジュニーニョが単独でドリブルをしかけてペナルティエリアに入るが、GK菅野が飛び出し惜しくもシュートを打てず。78分、柏のカウンター。右サイドからクロスを入れられ菅沼にフリーでシュートを打たれるが、シュートをGK植草が体に当ててポスト直撃。大ピンチをしのぐ。79分、フロンターレの攻撃。左サイドでボールを浮けた黒津が強引に左足を振り抜くが、ミドルシュートはGK菅野にセーブされる。80分、テセに代えて我那覇がピッチへ。81分、柏の攻撃。自陣でボールを奪われ、左サイドのアレックスにクロスを入れられるが、ここは田坂がボールに触りGK植草がキャッチ。しかし84分、自陣でのボール回しをパスカットされ、ポポの左サイドからのクロスを鎌田に押し込まれて決定的な3点目を決められてしまう。（1-3）　85分、大橋に代えて木村を投入。最後まで反撃を試みるフロンターレだったが、時間を使いながらしぶとく守る柏のチームディフェンスを崩しきれず。1-3のままタイムアップ。

主力メンバーが欠けるなかで奮闘したものの、決定機をしっかりとものにした柏に土をつけられてしまった。この結果、グループ内の順位は1位千葉（勝点8）、2位札幌（勝点5）、3位柏（勝点5）、最下位にフロンターレ（勝点3）。残り2試合を連勝しなければ予選突破は絶望的という、後がない状況に追い込まれた。