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FRONTALE DIARYフロンターレ日記

9/17 (木) 2015

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陸前高田市と友好協定締結へ

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集客プロモG

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9月11日(金)、早朝の東京駅にフロンターレのポロシャツを着用したスタッフが集まってきました。
その数、20人弱。朝が苦手なスタッフ達も笑顔…。

今からみんなで旅行に行くの!? というような雰囲気のスタッフが向かった先は陸前高田市。
この日は、震災直後から定期的に復興支援活動を続けてきた陸前高田市との間で、『高田フロンターレスマイルシップ』という友好協定が締結される日。川崎から約400キロ離れた自治体としての陸前高田市との協定締結は、フロンターレとしては初めての試みでありチャレンジとなりました。

東京駅を発ち、約2時間半で到着したのは岩手県にある一ノ関駅。そこから3台の車に分乗し、約1時間半ほどかけて陸前高田市へ移動しました。最初に向かったのは陸前高田市役所。
震災から4年半経った今でも、仮設のプレハブで運用している市役所に到着すると、職員の皆さんが笑顔で迎えてくれました。「よく来てくれました〜」「久しぶりですね」「みなさん元気そうですね」
何度も訪れているスタッフはすでに顔なじみの関係。昨年12月におこなったサッカー教室以来の笑顔の再会となりました。荷物をおろし、休む間もなく、次の目的地へ。そこは来年、陸前高田市とフロンターレが合同で行うイベント会場となるグラウンド。

到着したのは市街地から車で10分弱の場所にある気仙町・上長部(かみおさべ)グラウンド。上長部グラウンドは震災以降に作られた天然芝のグラウンドです。もともとは住宅街が広がっていた場所ですが、津波によってすべてが流されてしまったそうです。
そこに、加藤久さん(2011年当時・日本サッカー協会復興特命コーチ/現・ジュビロ磐田GM)が発起人となり、瓦礫の撤去からグラウンドの整地、そしてJFAの支援により4万株の芝が植えられ、サッカーと野球兼用のグラウンドとして、子ども達に提供されたそうです。

あいにくの雨模様でしたが、グラウンドに到着したスタッフは来年のイベントにむけ、グラウンドの測量から資料用の写真を撮影など地元サッカー協会の皆さんに手伝ってもらいながら、手際よく作業を進めました。
実はこのグラウンドで、来年の夏を目標に『高田スマイルフェス2016』というイベントの開催を予定しています。
そして、そのメインイベントとして、フロンターレ選手が公式ユニフォームを着用し、招待チームと試合をする『スマイルドリームマッチ』を行おうという大きな大きな企画です。
2011年より毎年、陸前高田の子供たちとサッカー教室という形で触れ合っているフロンターレの選手たちですが、本来の選手の姿は、やはりユニフォームを着用してピッチで躍動する姿です。フロンターレの選手たちのプレーを生で見たことのない多くの陸前高田の皆さんに、迫力のある選手たちのプレーを、この日本サッカー界支援の下、完成した天然芝グラウンドで観戦してもらえたら、みんながもっと笑顔になれるのでは、と今回の企画を思いつきました。
それをフロンターレクラブ設立20年、そして震災発生から5年という節目のタイミングで、選手達の試合、そしてホームゲームで開催しているようなイベントを開催しようという計画を進めています。今回はその実行部隊のスタッフが陸前高田市を訪れたのでした。
主なミッションは試合をするためのグラウンドと周辺環境のロケハン、そしてイベントを行うために窓口になっていただく陸前高田の方々との顔合わせでした。

長谷川幸雄サッカー事業部長、ふろん太が参加し、回の友好協定の趣旨説明、協定ロゴの発表、協定調印式、記念撮影がおこなわれました。

会見冒頭で、戸羽太市長からは
「東日本大震災から奇しくも今日で4年半が経つ月命日でございます。この間、日本中の皆様、あるいは世界中の皆様から支えていただいて、何とか陸前高田市も一生懸命復興に努めてきたところであります」
「いろいろな関係者、スポーツ関係者の方々もこの地を訪れてきていただいております。しかし、たくさんの方々がこの地を訪れていただきましたが、これくらいチームをあげて、そして市民の皆さんに溶け込んでいただいたスポーツチーム、あるいはスポーツ選手という人たちがいただろうかというふうに私は思います」
「もちろん野球であっても、他のサッカーチームの方であっても、お相撲さんであってもいろんな方が来て下さって、子ども達を励ましていただいたり、被災者を励ましたりしていただいたのですが、フロンターレさんはまさにチーム皆さんで陸前高田市を訪れていただいて、子ども達に丁寧にご指導いただいたり、あるいは皆が笑顔になれるようないろいろな活動をしていただきました」
「また時間を見つけては仮設住宅、あるいは仮設の病院、いろいろな所に行って様々な方を励ましていただいたところであります」
「これぐらいの関係があるんだとすれば、私は何かもっと目に見える形で、市民の皆さんに理解をいただける形で、両者の関係が作れないものだろうかと考えておりましたところ、今回、このように友好協定を結ばせていただけるという運びになったわけであります」
「この友好協定がこれからの陸前高田市の復興の大きな弾みとなると思いますし、4年6か月経って、今厳しい状況の中で仮設住宅で暮らしている人たち、子ども達、そういう人たちのモチベーションを更に高いところにもっていける、そういう大きな喜びではないかなと、そんなことも考えているところでございます」
「今日藁科社長さまにもご同席いただく中で協定を結ばせて頂く喜びを市民の皆様と共に分かち合いたいと思います」という話をしていただきました。

藁科義弘社長は
「支援という形でスタートした活動は、お互いに継続してコミュニケーションを重ねることで、やがて交流という形に発展してまいりました。本日、友好協定を結ぶことは、この関係をさらに発展させ、両者双方がお互いに大きな元気をもらうことにつながっていけば本当にうれしく思います」
「川崎フロンターレは、陸前高田市の復興を心から願い、お互いの存在が励みとなる交流をこれからも続けてまいりたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします」

と会見でコメントをしました。

記者会見の詳細は、特設サイトでご覧いただけます。


『高田フロンターレスマイルシップ』
<川崎フロンターレ>
・陸前高田市公共事業推進にフロンターレロゴ、エンブレム、選手肖像使用許可
・ホームゲーム時に陸前高田市の観光・物産PRイベント『陸前高田ランド』開催
・陸前高田市内公立小学校に『フロンターレ算数ドリル』の提供
・フロンターレ選手会による『陸前高田市訪問・懇親&サッカー教室』開催
・陸前高田市民を招いての『かわさき修学旅行』開催

<陸前高田市>
・フロンターレ応援団体「陸前高田フロンターレサポーターず」立ち上げ
戸羽市長は名誉会長に就任
・上記団体によるアウェイゲームツアーの実施
・市内各所へのフロンターレポスター・バナー等の掲出

『高田フロンターレスマイルシップロゴ』
友好協定を進めていくためには、共通のロゴが必要です。今回のロゴにはフロンターレファミリーアートディレクター「大塚いちお」さんにお願いをしてロゴを制作していただきました。
ロゴのコンセプトは、400キロ遠く離れた都市とプロサッカーチームをつなぐ虹をイメージ。お互いが笑顔になれて、何かをあたえあったり、持ち帰れたりする関係になれるようバッグ型のシルエットにデザインしていただきました。

約40分程の会見、陸前高田市の思い、我々フロンターレの思いを改めて確認し合い、発表となった友好協定締結となりました。

夕方からは、市内のホテルにて懇親会が行われました。この懇親会には来年のイベントに関わっていただきたい関係者の方々が数多く出席されました。その中には毎年「かわさき修学旅行」に来ていただいている高田FCの父兄の方や、11月/22日(土)に計画されている「陸前高田ランド」に出店予定の陸前高田市内の企業の方々も出席されていました。戸羽市長、藁科社長の挨拶のあとに、陸前高田サッカー協会小山会長の乾杯で会がスタートしました。フロンターレスタッフは来年のイベントに向けてのご挨拶をさせていただいたり、これまでの交流の中で意気投合している参加者との再会を喜んでいたりと、少しお酒が入った中で楽しく、にぎやかに懇親を図っていきました。

クラブ側が用意した余興の1つが選手からのビデオメッセージ
谷口選手、小林選手、大久保選手、中村選手、登里選手、新井選手からのメッセージを上映しましたが、陸前高田での思い出を聞くと、半分近くの選手が口にしていたのが地元の酒蔵、「酔仙酒造」の「雪っこ」というお酒について。このお酒、懇親会で挨拶した酔仙酒造の社長さんが1本目は「ほろ酔い」、2本目は「天国」、3本目は「地獄」と豪語するほどのおいしいけど強烈なお酒。選手たちは、昨年末、サッカー教室開催のため陸前高田に訪れた際、地元の皆さんとの食事会でこのお酒を振舞われており、3本目の「地獄」を味わった選手もいたため、その思い出が強く頭に焼きついているわけです。

そして2つ目の余興として行われたビンゴ大会では、まさに会場が1つに。選手から提供された練習着やフロンターレらしい賞品を用意し大いに盛り上がりました。

最後は、今回の協定と同時に発足した陸前高田市内の私設応援団「陸前高田サポーターず」の会長を務めていただく濱口智先生の挨拶で閉会しました。実はこの陸前高田とフロンターレの関係は教材不足に陥っていた震災直後、濱口先生が全国の仲間の先生に教材の提供を呼びかけを送り、それに応えるようにフロンターレ算数ドリルを届けたところから始まっています。閉会の言葉では「4年半前の震災の悔しさを絶対に忘れてはならない」と力強く話してくれた姿がとても印象的でした。

『高田フロンターレスマイルシップ』友好協定の記者会見から一夜明け、陸前高田市には前日の曇空から打って変わって澄み切った青空が広がっていました。そんな中、クラブスタッフが向かったのは上長部グラウンド。昨日の記者会見でも話があったとおり「スマイルドリームマッチ」に向けてのグラウンド整備を行うためです。

4年前に芝生が植えられたこの上長部グラウンドですが、前日の会見で「プロの選手の方がプレーできるような状況には現状はなっていません」と陸前高田市サッカー協会の小山会長が話すように、今では芝生のほかにも所々で雑草が生えていました。
しかしながら来年行われる「スマイルドリームマッチ」開催に向けて、クラブスタッフはもちろんのこと、陸前高田市民の有志の方々によって、すぐさまグラウンド整備が行われたのです。

今回、我々スタッフと陸前高田の方々で行った作業はこの雑草を採ること。もちろんプロの選手たちがプレーするグラウンドを整備するためには我々クラブスタッフの知恵だけでは十分ではないため、常日頃から上長部グラウンドを管理している「上長部の郷」代表のケイジロウさんの指導のもとに雑草取りが行われました。この雑草を取るためには表面に出ている部分を取るのではなく、土の中に生えている根っこの部分から抜かなければ、また雑草が生えてきてしまうというケイジロウさんの教えのとおりに雑草むしりを行っていきます。

当初は前日までの雨の影響で草むしりは難しいのではないかと思っていましたが、幸いにも当日は晴天に恵まれ、さらに昨日までの雨の影響で土も柔らかく、かえって雑草を抜くにはベストな状況だったのです。はじめのうちは笑顔を見せ、陸前高田の方々とも昨日の懇親会の様子を語り合うなど、和やかな雰囲気で雑草むしりが行われていました。

草むしりの途中では、上長部グラウンドを使ってサッカーの練習をしていた子どもたちから「フロンターレのスタッフの皆さん、グラウンドを整備していただき、ありがとうございます!!」と励ましの声ももらい、その子どもたちも一緒に草むしりを手伝ってくれました。

しかし…、さすがにグラウンド一面すべての雑草を抜くのには、時間が足りず、約2時間の草むしりの終盤には黙々と草むしりに没頭するスタッフ。いかにグラウンドを整備することの大変さを、身をもって感じました

来年の「スマイルドリームマッチ」まで約1年。ここでプロのサッカー選手がプレーすることができれば、陸前高田の皆さん、そして我々も一緒に笑顔になれるはず。
実現に向けての障壁はたくさんありますが、今回締結した友好協定「高田フロンターレスマイルシップ」にあるように、両者で支えあい、励ましあいながらひとつひとつその壁をクリアしていきたいと思っています。

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