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FRONTALE DIARYフロンターレ日記

9/ 5 (金) 2008

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復活へ

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広報部

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神奈川新聞の塩野記者より勇介レポートが届きました!!


『少し細くなった左脚を指して「まだまだ筋力不足。動き出しもトロいし、全然ダメっす」。シャイな性格ゆえの、やや乱暴な言い回しは相変わらずだった。

MF森勇介が帰ってくる。5月下旬に左膝の手術を受け、懸命のリハビリを続けていた。実戦復帰にはもう一息だが、何しろ全体練習に合流したのは約3カ月ぶり。心躍らぬはずがない。おなじみの長髪を振り乱し、童心にかえったようにボールを追っている。

リーグ開幕戦でチームの今季初得点をたたき出すなど、傍目には好調に映ったプロ10年目。その陰で、古傷を抱える左膝が悲鳴を上げていた。膝にたまった水を抜く応急処置を繰り返したものの、いよいよ騙しきれなくなっていた。
もともと、今オフの手術も視野に入れていたというが、「あのまま続けていても、パフォーマンスは上がらなかったと思う」。全力で戦えぬ葛藤もあったろう。シーズン途中で体にメスを入れる重い決断に至った。

森には一風変わった信念がある。「おれのサッカー人生は細く長く」。故障との付き合いはルーキーイヤー以来。複数のクラブを渡り歩いた分だけ、現役を続けられる有り難みが身に染みている。昨春には日本代表候補にも名を連ねるなど、プロ選手としての旬を迎えてもいた。それでも—。「今やっておいて良かったと、いつか思える時が来ると思う」。術後、松葉づえ姿で語る表情に迷いはなかった。

地味で孤独なリハビリの日々。過去に経験した誰もが「地獄」と口走る里内コーチ名物のプールトレーニングに始まり、ピッチレベルに移ってからは重さ約5キログラムのベストを着用して瞬発系を鍛え直した。「こんなに長いリハビリは初めて」と弱音を吐きつつ、最後は耐え抜くあたりがいかにも森らしい。
そんな試練の時も終盤に差し掛かる。手術の甲斐あって、かつては満足に伸ばすこともできなかった膝の可動域が広がったといい、復帰時期を「数週間後」と定めるまでに回復した。優勝争いが佳境に入るころ、快足ウイングバックがファンの前に戻ってくる計算だ。「痛みはもう言い訳にならない分、妥協もできない。ただ、苦しんだ分だけ自分に返ってくるものがあるはず」。

川崎に移籍して4年目。気がつけば、プロ入り後の最も長い時間をこのクラブで費やしたことになる。手術からの復帰ではなく復活へ。初タイトルを目指す川崎に、新たな楽しみが加わった。(文=神奈川新聞 塩野圭太)』

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