12/29 (火) 2020
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富士通スタジアム川崎より2020年末のご挨拶
text by
富士通スタジアム川崎スタッフ
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皆様、こんにちは。富士通スタジアム川崎です。
2015年4月1日にスタートした、川崎フロンターレにとって初となる「指定管理業務」、「富士見公園南側」及び「富士通スタジアム川崎」の指定管理者としての6年目(2期目の1年目)が終わろうとしています。
過去5年、「公園の賑わい」「稼働率向上」「利用者満足度」「アメリカンフットボールを活用したまちづくり」という川崎市が掲げるミッションをフロンターレならではの方法論で推し進め、アメリカンフットボールはもちろんのこと、サッカー、ラクロス、アルティメット、ラグビー等、様々な競技大会、スポーツイベントを招致、開催し、様々な競技者、スポーツを愛する市民の皆様にご利用いただいてきました。
単なるアメフト場、サッカー場、競技場では無い、地域の皆様が集う「場所」であると考えることで施設の可能性を広げ、様々なイベント、事業を実施し「地域コミュニティのハブ」としてのスタジアムを目指してきました。
富士通スタジアム川崎が自ら主催するもの、川崎市と共催のもの、様々な団体、会社等が開催し、一緒にアイデアを練って実現させるもの。それぞれ背景、成り立ち、形態は異なりますが、根底にあるのは常に「市民の皆様に楽しんでいただきたい」「多くの市民の皆様に足を運んでいただきたい」という考えです。
そして常にこだわっているのは「富士通スタジアム川崎」ならではの、そして「川崎フロンターレらしい」という部分。それは「来場者(市民)が喜ぶこと」を第一に考え、常に新しいことに「挑戦すること」です。
2015年4月から今日まで、たくさんの笑顔と出会うことが出来ました。本当にありがとうございました。
しかし、今年はご承知の通り、新型コロナウイルスの影響により、日本中、世界中で、様々な
競技大会、イベントが中止となりました。全身全霊で取り組んでいた選手や関係者の皆様の無念さは言葉で表すことも出来ない程だと思います。
それは、ここ富士通スタジアム川崎でも同しです。多くの大会、イベントを中止せざるを得ない状況が続いています。約2か月間の施設の利用中止も経験しました。
※「新型コロナウイルス感染症の拡大防止に伴う利用中止」のお知らせ
※「富士通スタジアム川崎ならびに富士見公園内諸施設」の利用再開のお知らせ
しかし同時に多くの関係者の皆様と共に「スポーツを止めない」努力を続けていることも事実です。
富士通スタジアム川崎では、毎年、年末年始のフロンターレ日記にて、1年間の活動の「振り返り」をするのが恒例となっていますが、今回は新型コロナウイルスの影響を受ける前の2020年1月から、施設の利用中止を経て再開した後の2020年7月まで、「2020年を振り返る:前半」をお送りします。
まずは1月。
2020年のスタートは1月5日(日)、
恒例の「KENGO Academy WINTER CLINIC 2020」から始まりました。
先日、引退を発表したばかりの川崎フロンターレを代表するスター選手である中村憲剛選手によるクリニックです。中村選手はリハビリ中(※当時)にも関わらずフィールドに立ち参加者一人一人に声をかけ、自身の経験から得たメソッドを惜しみなく披露していました。参加した子供達は中村選手の引退を知った今、貴重な体験だったと、改めて実感しているのではないでしょうか。
※富士通スタジアム川崎 オフィシャルブログ「KENGO Academy WINTER CLINIC 2020!!」
※中村憲剛 公式ブログ 「 KENGO Academy WINTER CLINIC 2020」
また、1月は富士通スタジアム川崎の主役といえる「アメリカンフットボール」の小学生からシニア層まで様々なカテゴリーの大会が開催されます。「アメフトのまち川崎」を象徴する期間と言えるのではないでしょうか。
1月12日(日)。高等学校アメリカンフットボールの関東地区選抜と関西地区選抜による対抗戦「第9回ニューイヤーボウル」。
高校アメフトのトップ選手達による躍動感あるプレーの連続にスタジアムは大きな歓声に包まれました。
※富士通スタジアム川崎 オフィシャルブログ「第9回ニューイヤーボウル!!!」
1月13日(月祝)。中学生年代のアメリカンフットボール日本一を決める「第7回日本中学生アメリカンフットボール選手権」。
「佼成学園中学校x関西学院中学部」という東西を代表するチームの対戦となりました。青と赤の対決です。
※富士通スタジアム川崎 オフィシャルブログ「日本中学生アメリカンフットボール選手権」開催!!
1月18日(土)「第7回川崎市 藤子F・不二雄ミュージアムカップ」。
川崎市に於ける「アメリカンフットボールを活用したまちづくり」の一環、市内小学生を対象の「フラッグフットボール交流会」です。今回はXリーグの選手30名が参加した「X FUN FESTA」も同時開催し、現役のⅩリーガーから直接指導してもらえる貴重な場となりました。
※富士通スタジアム川崎 オフィシャルブログ「ラグビーもいいけど…。アメフトも好きだ!1/18 X FUN FESTA開催!」
※富士通スタジアム川崎 オフィシャルブログ「1/18(土)Xリーグ FUN FESTA」開催!!
※富士通スタジアム川崎 オフィシャルブログ「藤子・F・不二雄ミュージアムカップ&X FUN FESTA 開催」
1月25日(土)、26日(日)。「ハドルボウル」。
35歳以上の大学アメリカンフットボールOB選手達によるフラッグフットボールの大会です。参加費は「公益財団日本フラッグフットボール協会」を通じて難病と闘う子どもたちを支援する国際的ボランティア団体「メイク・ア・ウィッシュ・ジャパン」にも寄付されます。この大会はかつての名選手達が大挙して集まり、70歳以上の選手も参加する、富士通スタジアム川崎の賑わいを象徴するイベントと言えます。
※富士通スタジアム川崎 オフィシャルブログ「ハドルボウル開催!」
富士通スタジアム川崎川崎フロンターレが指定管理者として運営するからには当然「サッカー」も重要なコンテンツです。
1月19日(日)。「釜本サッカー教室」
川崎フロンターレのコラボレーションパートナーである株式会社ロッテのご協力により、1968年メキシコオリンピックの得点王、世界の「釜本邦茂」さんをゲストにお招きし、サッカー教室を開催致しました。参加した数百名の子ども達は釜本さんの現役時代を知らなくても、その発するオーラ、迫力を見て、一目で日本サッカー界のレジェンドであることを理解したようです。皆、真剣な眼差しで話を聞き言っていました。
そして、これまで何度も書いていますが、富士通スタジアム川崎は障害者サッカー7競技の中の4競技が開催されている障害者サッカーの聖地でもあります。これまでアンプティサッカー(切断障がい者サッカー)、ブラインドサッカー(視覚障がい者サッカー)、ソーシャルフットボール(精神障がい者サッカー)、デフサッカー(聴覚障がい者サッカー)といった障害者サッカーの大会やイベントを開催し、パラスポーツへの理解や普及に貢献してきました。
そして今年も、富士通スタジアム川崎を代表する障害者スポーツイベントと言える「KPMGカップブラインドサッカークラブチーム選手権2020」を2月8日(土)、9日(日)に開催しました。
ブラインドサッカーはパラリンピックの競技種目である為、認知度も高く、2日間で過去最高の2100名の来場数を記録いたしました。富士通スタジアム川崎では、これからも、これまで通り、「日常的」にパラスポーツを支えていきたいと考えています。
※富士通スタジアム川崎オフィシャルHP「KPMGカップ ブラインドサッカークラブチーム選手権2020」開催のお知らせ
富士通スタジアム川崎の競技別の利用に関して。
川崎市と社団法人日本アメリカンフットボール協会の間で包括協定が締結されていることから、土日の利用の7,8割をアメリカンフットボールの公式戦が占めています。しかし平日も含む最大の利用競技はラクロスなのです。この事は、これまでも何度もお伝えしている通りですが、年間を通してたくさんの大学チームやクラブチームが男女問わず、全国各地から川崎に集まってきます。そんな「富士通スタジアム川崎のラクロス」を象徴する大会が「サムライカップ」です。今年は2月23日(日)、24日(月祝)に開催されました。
ラクロスは現在、世界で今、爆発的に競技人口が増加しているスポーツと言われており2028年の五輪種目に加わる可能性も高いと言われています。「サムライラクロス」は他会場で20年近く開催されてきた日本ラクロス界では最も認知された伝統ある大会であり、年代、年齢、地域、様々なレベルの選手たちが集まるオープン大会です。今年は二日間にわたり200試合以上が行われました。これからも「富士通スタジアム川崎のラクロス」は増え続けていくことでしょう。
※富士通スタジアム川崎 オフィシャルブログ「SUMURAI CUP2020 1日目!!」
※富士通スタジアム川崎 オフィシャルブログ「サムライカップ2020 2日目!!」
新型コロナの影響が色濃くなった3月28日(土)に開催されたのは、こちらも富士通スタジアム川崎を象徴する「野球イベント」である「第4回川崎球場HISTORY~川崎球場の歴史を未来に引き継ぐ~ Twitter LIVE 」です。
「富士通スタジアム川崎」はかつて「川崎球場」として、1952年から1992年までプロ野球チームの本拠地として約2,500もの試合が実施された日本スポーツ史上の歴史的遺産と言える場所です。王貞治選手の700号ホームラン(1976年)、張本勲選手の3000本安打(1980年)、大洋ホエールズが出場した日本シリーズ開催(1960年)、7回のオールスターゲーム開催(1960、1964、1968、1972、1976、1980、1985年)、等、多くの名場面の舞台となりました。中でも1988年10月19日に行われた「ロッテオリオンズvs近鉄バファローズ」伝説のダブルヘッダーは30年近く経った今でも「10.19」と呼ばれプロ野球ファンに語り継がれ、毎年10月19日には多くの野球ファン、スポーツファンが聖地巡礼に訪れます。プロ野球以外でも都市対抗、高校野球、首都大学野球、地域の少年野球等、様々なカテゴリーで球場に関わった人々に愛されています。また野球以外でもプロレスでは古くは力道山が満員の観衆を集め、また大仁田厚氏率いるFMWも電流爆破デスマッチを7回開催しています。
知れば知るほど、奥深い、興味深い多くの歴史に彩られている富士通スタジアム川崎。ここには今も「川崎球場」時代の「外野フェンス」及び「照明塔」が残されており、その遺構を一目見ようと、イベントの有無を問わず、見学者、巡礼者が後を絶ちません。「富士通スタジアム川崎」では、この日本スポーツ界の宝と言うべき「川崎球場」を、リアルタイムで知らない若い世代にも語り継ぎ「世代と世代を繋ぐ場所」になる事を目指し、これまで多くのイベントを開催してきました。そして、今年、2020年2月6日、「川崎球場の遺構を指定文化財に登録する請願」の審査が、市議会まちづくり委員会で行われ、全会一致で趣旨採択されました。出席した議員からは「市役所通りから照明塔が見えた時の、あの風景が文化財そのもの」「新たな観光施設としての可能性」「川崎市のスポーツ文化継承において重要」「富士通スタジアム川崎の意見を聞き、価値を見出すことが必要」等の声があがりました。当日の会場は傍聴席も満員で大変な熱気で溢れていたそうです。
※参考記事
その熱気が冷めやらぬ中で開催された、この「第4回川崎球場HISTORY~川崎球場の歴史を未来に引き継ぐ~ Twitter LIVE 」ですが、新型コロナウイルス感染、拡大防止の為、「トークショー」「スタジアムツアー」、「親子でキャッチボール」、「流しそうめん」等を中止し、新型無観客での「パネルディスカッションのライブ配信」という形に変えて実施しました。MCにはフリーアナウンサーの松本秀夫さん、、ゲストには、元ロッテオリオンズ初芝清さん、前田幸長さん、元ロッテオリオンズ応援団横山健一さん、純パの会の皆さん、地域代表として平間商店街の石井雄介さんをお招きし、「川崎球場の遺構を未来に残すには?」をテーマに、視聴者もチャットで参加し、MC、ゲストと共にパネルディスカッションを行いました。
これからも富士通スタジアム川崎は、この場所を川崎市の大切な文化遺産として語り継いでいきます。
※富士通スタジアム川崎 オフィシャルブログ「~川崎球場時代の遺構を未来に残すには?~」
※富士通スタジアム川崎 オフィシャルブログ「Twitter生配信見てくれましたか??」
※富士通スタジアム川崎 オフィシャルブログ「3/28川崎球場パネルディスカッション視聴方法」
施設の利用中止期間の5月。
そんな時期でも富士通スタジアム川崎を知って貰おうと、5月9日(土)、5月16日(土)、5月23日(土)の3回に渡り開催したのが、オンラインイベント「富士通スタジアム川崎presents AthleTalk(アスリートーク)」です。
MCに川崎フロンターレクラブ特命大使を務める中西哲生さん、ゲストには富士通スタジアム川崎にゆかりのあるアスリートを迎えZoomを活用し実施しました。第一弾は、川崎フロンターレU-18出身で現在アメリカのプロサッカーチームニューイングランド・レボリューションに所属する島崎竜選手。第二弾は、アメフトから、オービックシーガルズ山﨑丈路選手、アルティメットから田村友絵選手、ラクロスから廣瀬藍選手。第3弾はIBMビッグブルー佐藤敏基選手を迎え開催しました。皆様、富士通スタジアム川崎で何度も真剣勝負を繰り広げてきた一流選手達で、世界を股にかけてチャレンジをしているという共通点があります。このイベントにより、これまで富士通スタジアム川崎に馴染みが無かった視聴者層とも接点を持つことが出来ました。今後の新しい可能性を感じさせる試みとなりました。
※フロンターレ日記「富士通スタジアム川崎初オンラインイベント開催」
※募集ページ第1弾「島崎竜選手~MLS(メジャーリーグサッカー)プロ契約までの道のり~」
※募集ページ第2弾「アメリカンフットボール×ラクロス×アルティメット対談」
※募集ページ第3弾「アメリカンフットボール佐藤敏基選手~日本人初のNFLプレイヤーへ」
7月18日(土)、施設の利用再開後、最初の大型イベントとして行われたのは株式会社SRJ主催「SPARTAN WORKOUT」。
新型コロナウイルス予防対策は万全を期したうえで、500名が参加しました。「SPARTAN RACE」は近年爆発的に流行している為、多くの国内のスポーツ施設が開催場所に立候補している人気イベントです。その中で富士通スタジアム川崎がこれまでのイベント実績を評価され、キッズ部門も含めての開催となりました。スタジアムの客席を使用したエクササイズや国際大会で使用している障害物も持ち込み、サーキットトレーニングを行いました。多くの愛好家、市民の笑顔が印象的でした。
※富士通スタジアム川崎オフィシャルHP「富士通スタジアム川崎 SPARTAN WORKOUT開催!」のお知らせ
※富士通スタジアム川崎 オフィシャルブログ「SPARTAN WORKOUT 開催!!」
上記のように、今年、実際に開催出来た大会やイベントは、予定していた行事の、ほんの一部にすぎません。
富士通スタジアム川崎を象徴する、川崎市を代表する、多くの大会、イベントが中止を余儀なくされました。
富士通スタジアム川崎が「広域避難場所」に指定されていることから着想し、毎年開催し好評を得ていた「親子ふれあい防災キャンプ」。
「昨今、盆踊りを踊れる場所が減ってきている。」という多くの市民の声を受け2年連続で開催していた「富士通スタジアム川崎夏まつり」。
近年社会問題となっている(もちろん富士見公園でも問題になっている)犬の放し飼いなどのマナーに対する「啓蒙」を目的としながらも、ファミリー向けに「イベント化」することで公園に賑わいを生むことを目指した「All For ワンッ!!DAYSupported by 川崎フロンターレ」。
指定管理者としての課題である「公園各施設の回遊性」を高めながら多くの市民ランナーを集める「Number Do EKIDEN & Number Futsal Cup」。
これら多くの大会、イベント、ここに書ききれない、たくさんの催しの開催を断念しました。
この悔しさは必ず来年にぶつけたいと思います。
最後にご紹介するのは、2020年、富士通スタジアム川崎に対し最も多くの反響をいただいた「医療従事者応援のコレオ」です。
緊急事態宣言が発令され、多くの活動が自粛となった状況下で「富士通スタジアム川崎が出来ること」をスタッフ全員で考え実行しました。富士通スタジアム川崎の至近距離にあり、新型コロナウイルス陽性患者の受け入れを行い、多くの命を救うために努力されている「市立川崎病院」の医療従事者の皆様に対して、少しでも励みになればと思い、(病院の上層階から視野に入る)富士通スタジアム川崎のバックスタンドに「コレオ」で感謝のメッセージ「ア リ ガ ト ウ」を作成しました。そして富士通スタジアム川崎だけでなく、川崎フロンターレのSNSも活用して発信いたしました。市立川崎病院様からも「いつも病院から見ています。励みになります。」とのメッセージをいただきました。(※現在は撤去)
「指定管理者」としての6年目が終わろうとしています。
これからも、コロナ禍でも、これまで通り、川崎フロンターレだからこそ可能な、様々な施策、市民満足度向上施策を実施し続けます。
限られた条件の中で最善を尽くすのは富士通スタジアム川崎の最も得意とするところです。
将来、振り返ったときに「あの期間が有ったから、今があるんだよね」と言えるように。
今年、このような状況でも富士通スタジアム川崎にご来場いただいた皆様、関係者の皆様、本当にありがとうございました。スタッフ一同感謝の気持ちで一杯です。
来年、2021年も、そしてこの先ずっと、富士見公園が多くの市民の皆様に愛され、たくさんの人々で賑わう公園で有り続けるよう、我々は努力を続けていきます。
一年間、本当にありがとうございました。
新年が市民の皆様にとって、さらに良い年になりますよう祈念して、本年を締めくくりたいと思います。
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