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FRONTALE DIARYフロンターレ日記

8/ 7 (月) 2023

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フロンターレアカデミー陸前高田修学旅行&交流試合

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広報担当

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こんにちは。広報担当です。
先日7月27日(木)~7月29日(土)の期間行われた、「フロンターレアカデミー陸前高田修学旅行&交流試合」についてご報告させていただきたいと思います。

皆さんが決して忘れることのできない、2011年の東日本大震災。津波により甚大な被害を受けた岩手県陸前高田市からの「教育資材が全て流されてしまった」というSOSが川崎へ、そして川崎フロンターレに届いたことをきっかけに、陸前高田市と私たちとの繋がりが生まれました。

2011年から継続的な交流を続け、2015年9月にはフロンターレと陸前高田市で正式に「高田フロンターレスマイルシップ」を締結。今回、この「高田フロンターレスマイルシップ事業」の一環として、川崎フロンターレU-15等々力(中1)の選手・スタッフ、そしてクラブスタッフが、陸前高田市のフロンターレ応援団体「フロンターレサポーターず(代表:濱口智先生)」の協力のもと、「フロンターレアカデミー陸前高田修学旅行&交流試合」として陸前高田市を訪問する運びとなりました。2泊3日、その記録を紹介していきたいと思います。

■7月27日(木)1日目
1日目早朝。川崎フロンターレU-15等々力の中学1年生19名、チームスタッフ3名、そしてクラブスタッフたちを乗せたバスが川崎市内から陸前高田に向け出発!!約7時間のバスの旅がスタートしました。

今回参加したU-15等々力の選手たちは、現在12~13歳。震災当時は、0~1歳だった子どもたち。選手たちは皆、学校の授業やテレビのニュースで東日本大震災という出来事自体は認識しているものの、「教科書上の出来事」のような感覚の選手たちがほとんど。これから、私たちが向かう場所は一体どんなところなのか、これまでフロンターレがどんな活動をしてきたのかを少しでも事前に知ってもらうべく、陸前高田での活動が記録されている当時のシーズンイヤーDVDを視聴してもらいました。そこには、U-15等々力で現在コーチを務める矢島卓郎コーチの現役時代の姿が。そう、矢島コーチ自身が選手として2011年の震災直後に陸前高田市を訪問しており、今回が約12年ぶりの訪問となったのです。

選手当時の矢島コーチ。

そんな矢島コーチ率いるU-15等々力一行、途中サービスエリアでの休憩を挟みながら、無事14:30過ぎに陸前高田へと到着。最初の目的地である「東日本大震災津波伝承館」へ。そこには、今回の陸前高田修学旅行をサポートしてくださる「フロンターレサポーターず」の皆さんの姿が。大きく手を振りながら、私たちを出迎えてくださいました。熱烈な歓迎とともに、3日間お世話になるご挨拶を。そして、早速周辺一帯をご案内いただきました。

大自然の中に広がる、とても広く綺麗に整備された一本道に、献花台。そして階段を少し登ると、大きな大きな海が広がっていました。当日はとてもお天気も良く、青い空に白い雲。海もとても穏やかでした。

私自身、今回初めての陸前高田訪問となったのですが、かつてこの場所でたくさんの命が失われたという悲しい事実と、今の美しく穏やかな風景とのそのギャップに、今まで感じたことのないような、うまく言い表せないような複雑な気持ちになりました。

選手、スタッフたちもこの景色に目を奪われているなか、今回案内人を務めてくれたサポーターずの松本直美さんが教えてくださいました。「こんなに綺麗な海だけれど、あれから何年経っても、当時を思い出してしまう海を見れない人たちが今もたくさんいるんです。」と。町の復興がこれだけ進んだ今もなお、それには比例することなく深い悲しみと隣り合わせにいる人たちがいるということを、改めて知ることとなりました。

そして、「奇跡の一本松」のすぐ足元まで。すぐそばには、津波によって大きく損壊した建物が当時の姿で残る一方、空に向かってまっすぐ伸びる一本松。写真や映像で見るよりも、ずっと大きくとても驚きました。「周辺はすごく綺麗になったけど、当時は瓦礫の山の中この一本松が立っていたのをすごく覚えている」と、矢島コーチ。これからも、どんなことにも負けずに、この場所で逞しく陸前高田の皆さんを見守り続けてほしいなと思いました。

そして、選手たちは「東日本大震災津波伝承館 いわてTSUNAMIメモリアル」の中へ。当時の記録がたくさん残されており、思わず胸が苦しくなってしまうような展示の数々でしたが、ただ悲しい記憶だけではなく、その中でも一つでも多くの命を救おうと懸命に戦い続けた人たちが本当にたくさんいたこと、復興に向けて力強く歩み続けた市民の皆さんのこれまでの道のりを知ることができました。

東日本大震災津波伝承館を後にし、今回の宿泊先となる「岩手県立野外活動センター」へ。
みんな揃っての夕食後、サポーターず代表である濱口智先生にお越しいただき、1日目の最後に震災当時のご講和をいただきました。

すぐ近くまで押し寄せる津波から逃げなければいけない緊迫した当時の映像は、思わず直視できず下を向いてしまいそうになるようなものでした。それでも映像から目を背けることなく、震災発生時の状況を事細かに、時折言葉に詰まりながらも私たちにお話してくださった濱口先生。ただ「これだけ怖いものなんだ」という震災の恐ろしさを伝えるだけでなく、決して起きてほしくはないですがこの先の未来で、もし同じ状況に出くわしてしまった時に一人でもこの教えが生きるようにと。私たちの大切な人たちを守れるように行動してほしいという強い願いをお伝えくださいました。

真剣に耳を傾け続けていた選手たちにも、しっかりと届いていたと思います。濱口先生、ありがとうございました。

■7月28日(金) 2日目
2日目は、今回の陸前高田修学旅行の大きな目的の一つでもある、交流試合へ参加するため「上長部グラウンド」へ。私たちがグラウンドへ到着すると、すでに陸前高田第一中学校サッカー部の皆さんがベンチやテントなどを準備した状態で私たちを出迎えてくれました。また、上長部グラウンド設立当初からボランティアとしてグラウンドを整備し続けてくださっている方が、この日のために芝を念入りに手入れしてくださり、試合ができるようにと最高の状態に整えてくださっていました。準備してくださった皆さん、本当にありがとうございました。

そして、そんな素晴らしい環境の中、20分ハーフの交流戦がスタート。第1試合では、川崎フロンターレU-15等々力vs陸前高田第一中サッカー部の一戦が行われました。まずは、キックオフの前に両チームひとつになっての記念撮影から。

記念撮影後は、やはりサッカープレイヤーたち。一気に試合モードです。厳しい日差しの照り付ける中での一戦となりましたが、前半3-0、後半2-0でU-15等々力が勝利を収めました。

第2試合として、ベガルタ仙台ジュニアユースvs陸前高田第一中が行われ、そして最終の第3試合。U-15等々力とベガルタ仙台ジュニアユースとの対戦。こちらも試合前に、両チーム揃っての集合写真撮影を行ったのですが、水色と黄色のユニフォームが交互に並ぶその様子は、まるで2016年にこの上長部グラウンドで行われた「高田スマイルフェス」での「スマイルドリームマッチ」が再現されたかのようでした。

2016年の「スマイルドリームマッチ」は1-1の引き分けとなったものの、今回の一戦は3-1でU-15等々力が勝利を飾りました!

そして、最後にはふろん太もサプライズ登場し、3チーム合同での記念撮影を行いました。町の方、陸前高田第一中の皆さんからも素敵なプレゼントをいただきました。皆さん、ありがとうございます!!

思い切りサッカーで汗を流した後は、ランチ懇親会です。3チームの選手たちが肩を並べながら、食事を楽しみました。

食事後は、スイカ割りや色当てゲームなどレクリエーションの時間も。中学生年代だと、人見知りをしたりもするのかな...と少し心配しながら見ていましたが、一度ボールを蹴り合えばやはりすぐに仲間に。みんな笑顔で楽しんでくれていたようで、私たちもその笑顔を見てホッとしました。お世話になった陸前高田第一中、ベガルタ仙台ジュニアユースの皆さんとはここでお別れに。また、必ず会えますように!!

そしてU-15等々力一行は、午後のアクティビティへ。ふろん田でのかかし作りと、陸前高田ランドではお馴染み「大和田家の牡蠣」でお世話になっている、大和田晴男さんの牡蠣漁船乗船体験を二手に分かれてそれぞれ行いました。

まずはふろん田でのかかし作りから。陸前高田の皆さんに日々管理をしていただいている「ふろん田」。これからのシーズンに向けてオリジナルかかし作り。そして、2019年の誕生から5年目を迎え、シンボルであるモニュメントもだいぶ年季が入ってきたため、選手たちにペンキ塗りなどメンテナンスのお手伝いに参加してもらいました。みんな思い思いにかかしに顔を書いたり、モニュメントに思いっきりペンキを塗ったりと楽しみながら作業していたようです。またお米ができるところも、みんなで見てみたいですね。

続いては晴男さんの牡蠣漁船乗船体験へ。ライフジャケットを着用して、いざ漁船が沖に向けて出発すると、想像以上のスピードに選手たちは皆「楽しいー!!」大盛り上がり。海上の風を切ってぐんぐんと進む晴男さんの漁船。海風がとても気持ちよかったです。牡蠣養殖のポイントに到着すると、晴男さんが実際に海から牡蠣を引き上げて収穫方法を説明してくれました。食卓に並んだ牡蠣ではなく、生き物としての牡蠣をこんなに間近で見たのはみんな初めてだったと思います。
港に船が戻り、晴男さんがぴたりと船を岸につけるとそのテクニックに皆拍手。晴男さん、2回も船を出してくださり、ありがとうございました。また、子どもたちを連れて遊びに来ます!!

盛りだくさんだった2日目の全体アクティビティはこれにて終了となりましたが、宿舎での夕食後、希望者のみクワガタ採集の時間も。採集から帰ってきた後も、選手たち皆大事そうに虫かごを見つめていたのが、なんとも可愛らしかったです。

■7月29日(土) 3日目
早いもので、最終日。3日間お世話になったスタッフの皆さんにご挨拶をし、野外活動センターを後にしました。

陸前高田での最後の目的地、玉山金山へ。選手たちが出発前から楽しみにしていた場所の一つです。
この玉山金山は、日本で初めて金が発見されたとされる鉱山の一つで、構成文化財の一つとして日本遺産にも指定されています。今回は、この玉山金山で気軽に「水晶採集」ができるということで、ガイドさん監修のもとトレッキングと水晶探しを行いました。山中で無我夢中で水晶探しに没頭していた選手たち。「中学1年生ぐらいって、水晶とか大好きだよなぁ」と思いながら見ていたものの、気づけば大人たちも時間を忘れ皆ベスト水晶探しに夢中でした。(笑)

形が六角形の、綺麗な水晶も発見できました。大切に持ち帰ってきました。

あっという間に楽しかった時間も過ぎ、この玉山金山で3日間お世話になったサポーターずの皆さんともお別れに。
準備の段階から、皆さんそれぞれのお仕事の合間を縫って万全な状態で私たちを迎え入れてくださり、この3日間もたくさん汗を一緒に流してくださったサポーターずの皆さん。皆さん無くしては、間違いなくこの3日間は実現しませんでした。
最初こそ「なんでここまで私たちに良くしてくださるんだろう」と思いましたが、皆さんとお話する中で、震災発生当初にフロンターレの選手たち、スタッフたちがしてきた現地での活動が今も皆さんの記憶にずっと明るい希望として残り続けているからこそということ。そして、時代は流れて人の入れ替わりがあっても、この絆は絶対に途絶えさせてはいけないということ。身をもって痛感した3日間になりました。出会う人みんなが温かかった陸前高田。本当に来られて良かったです。また、必ず皆さんに会いにいきたいと心から思える場所になりました。皆さん、本当に本当にありがとうございました。

一行を乗せたバスは、陸前高田を昼前に出発。帰りも元気な選手たちを乗せ、無事最終目的地である国立競技場に18時半過ぎに到着しました。最後まで元気にトップチームの選手たちを応援し、3日間の陸前高田修学旅行が無事終了しました。

今回参加したU-15等々力の選手たちの中から、一人でも多くの選手たちがフロンターレのトップチームの選手として活躍してほしいと願うとともに、どの進路に進んだとしても、陸前高田で学んだこと、見た景色、出会った人々、支えてくれたサポーターずの皆さんのことを絶対に忘れずに過ごしていってほしいと思います。フロンターレというクラブを選んでくれたからには、フロンターレだからこそ出来る経験をこれからもたくさんしてほしい。これが、私たち大人の任務でもあるのではないかと感じた3日間になりました。

陸前高田の皆さん、今回も本当に素敵な時間をありがとうございました。
これからもずっとずっと、川崎フロンターレをよろしくお願いします。

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